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経済論評2010年全敗記録を更新する日本の経済政策(2010-05-07) デフレからなかなか抜け出せない日本経済において、概ね、経済学でいうところのケインジアンの流れをくむ公共投資の重要性を解く考え方と、市場原理主義思想を重視し国際競争力の強化をとく考え方とが、学者や評論家などからの発言から分析される。失業・貧困など社会問題の増加などにより公共投資の必要性を解く考え方で、これらはケインジアンの流れをくむものだろう。一方、財政再建主流をなす考え方に小さな政府を望む市場原理主義の考え方が存在している。小泉政権下での竹中が推し進めた政策に近いものだろう。国際競争に勝つために企業の生産性を重視し、製造業への派遣社員の解禁、また、生産性向上による余剰人員を介護業界への労働移動を主張したことは記憶に新しい。この説明も現実問題として介護福祉士問題の現状を考えれば、日本人の介護福祉士一人の費用と外国人十人の費用が同じとすれば、介護される側は外国人十人から介護されるほうが多少日本語の不自由を考えても至れり尽くせりに違いない。言い方を換えればアラビアン・ナイトの世界で、この介護業界でも日本人の立場は弱くなることになり、市場原理主義者らの考え方に矛盾が生じることになるだろう。 これらが概ね現在の経済問題を論評する意見であり「経済成長なくして繁栄無し」の立場を両者とも取っている。が、これら主張する学者や評論家ならびに報道機関の解説委員から、現状のデフレの原因をどのように考え、どのように分析を行ったのかという説明を聞いたことが無い。榊原英資が現状の日本のデフレを「良いデフレ」という言葉を使って説明を行っていたが、先に述べた学者や評論家ならびに報道機関の解説委員から「良いデフレなどどの教科書にも出ていない」という反論の意見のみである。教科書にも載っていないことを主張することがそれほど悪い事なのか、このような批判をする学者や評論家ならびに報道機関の解説委員は未だ天動説を信じているのではないかとさへ思えるのである。 他人と変わったことをする人間にイジメを行う学校問題をはじめとする社会問題が大人の世界にも既に存在していたようである。 バブル崩壊後の幾度となく行われた公共投資、また、小泉竹中改革で行われた小さい政府への変貌、インフレターゲット論など振り回していたが、すべてが失敗の結果に終焉したと言っても良いだろう。すなわち、一般大衆からその結果に「NO」と言い渡されたのである。ここでいう一般大衆とは、野中広務元官房長官が官房機密費の使途について共同通信の取材に答えた記事のなかの、すなわち、自民党政権下での官房機密費を盆暮の二回にそれぞれ500万円ずつ受け取り勇ましい発言を繰り返していた評論家や芸能人などの番組・発言に左右されることのない一般大衆であるが。これら一般大衆が肯くことができるような政策こそ正しい政策になることに間違い無い。 次回は、政府関係者・日銀関係者並びに経済評論家が最大の目標としている経済成長力(インフレ目標)に関するデータを収集して考えようと思っている。 日本のデフレは内外価格差がその最大の原因だ(2010年経済論評)(2010-05-17) いまの日本はデフレなのかデフレスパイラルに陥っているのか、少なくとも、尋常な経済状況で無いことだけはだれにでも言える状態だ。デフレの状況として、「需要供給の不均衡・持続的物価の下落・景気後退に伴う物価下落」などが上げられ、その対策として、需給ギャップの改善、税制制度見直しによる所得の再分配、そして、内外価格差の解消の為の為替介入などが考えられている。アメリカ・レーガン政権の経常収支のアンバランスにより、それ以降のアメリカが日本との貿易摩擦に発展し、日米貿易摩擦解消のために、アメリカ大統領「パパ・ブッシュ」がアメリカ自動車業界首脳を引き連れ来日、また、アメリカ大統領 ビル・クリントンが日本と通称「年次改革要望書」を取り交わしたことはそれほど古い話でもない。それ以降、1995年5月には 1ドル=79円75銭の史上最高値を記録し、1998年7月には日本の金融危機の影響もあり144円近辺にまで円安と荒っぽい為替の動きを記録している。これら一連の経済の流れを考えると、現在の日本のデフレ状況が内外価格差によるものと考えるのが一番納得する。評論家などを含めた日本の経済関係者のなかで、グローバル経済がデフレの最大の原因と強く主張しているのが同志社大学大学院ビジネス研究科教授 浜矩子(のりこ)であるが、その他の関係者は、インフレターゲット論を振り回したり、金融緩和を主張してみたり、生産性の向上だの、国際競争力だの、富裕層をターゲットにした物造りだのと、小泉政権下でその結果が出たにも関わらず、たわけたことを平気で言っているような人物ばかりである。 そのようなことで、日本と中国とのGDP総額(棒グラフ・ドル換算)と一人当たりのGDP(折れ線グラフ)を計算し図にして見てものが右図である。国民一人当たりのGDPは13億人の人口を抱える中国とは比べるまでもない図である。ただ、内外価格差を埋めるにはあまりにも大きすぎるのである。 ![]() その一方で、世界の投資資金が経済発展の著しい中国の恩恵のおすそ分けを頂こうと中国へ流れているが、当の中国は国を上げてその資金を利用し資源国並びに資源会社の株式取得に動き、また、国民には金(ゴールド)の所有を薦めている、大袈裟に言わせてもらえばそのような状況だろう。中国からの少ないながらの情報のなかに、中国経済関係者は日本のバブル発生から崩壊までの過程の研究を行っている節があり、アメリカとの貿易摩擦に悩む中国には最大の資料にも思えるが、それを元に経済運営を行っている節が見受けられる。 すなわち、為替は緩やかな元高に導き、半面、緩やかなインフレを望んでいるのではなかろうか。裏返せば、中国へ投資した投資資金は多少の金利は付くものの、その額はインフレと相殺され、為替で得られる利益は無いというものだ。中国への投資成果は限りなくゼロに近いものになる、というのが個人的な考えとして持ち始めた。 アメリカ投資銀行の経典を盲信する日本の信者達(2010-05-31) 世界のグローバル競争に勝ち抜くための「生産性」重視が、いまや、名も無い一般国民にまで押し掛けて来ている。ギリシャ財政問題の原因を「公務員数の比率の高さと賃金の高さ」、また、「手厚い年金制度」などと表現し日本の財政問題とも比較を行った東大公共政策大学院の構成をなすメンバーの面々、それとは別に日本経済に多大な影響を及ぼす経済関係者のなかには、アメリカの市場原理主義の躓きをいち早く感じ取り白旗を上げた人間、グーグルの広報担当に衣替えしたかのような人間、また、世界経済・日本経済に完全黙秘を続けている人間も多数存在している。日本で製品1単位を生産するコストで、そのコストで海外で生産すれば製品10単位は優に作れる状態である。同じコストで1単位製品から得られる利益と10単位から得られる利益との差は莫大である。それが昨今の所得格差・社会格差の最大の原因である。すなわち、先進国の労働者の失った所得が新興国の労働者の所得になる訳では無く、企業の上層部と株主の所得になり、先進国労働者の所得が企業の上層部と株主との所得へ転移しただけである。 経済のグローバル化を経典の如き疑いもせずに、また、EUをはじめアメリカでも金融規制の法制化が進むなか、東大公共政策大学院の構成をなすメンバーの面々だけはいまだアメリカ投資銀行の推し進めたグローバル戦略という経典を信じきっているようである。何を信じるかは個人の自由だが、新聞誌上を借りアメリカ投資銀行の経典を布教するのは宗教の自由からかけ離れた暴挙である。グローバル化の長所のみを並び立て投資銀行のお膳立てをし、それに失敗し多額の投資損失を被るや、名も無い一般国民の給与の高さ、手厚い年金制度が最大の悪なる論評、税制問題を抱えるEU各国の国民ならずとも国民の暴動は当然至極である。 |