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アメリカ・ドルの「落し穴」(2010-07-20)

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ギリシャに端を発した財政危機問題、 EU 経済圏の崩壊の危機に瀕しているといっても良いだろう。EU 経済圏の通貨統合で、良い面として通貨統合による経済圏の活性化が主張されていた。また、悪い面として今回のギリシャ問題を出すまでもなく一国の為替・金利の政策の自由が効かないという、世の中の出来事には常に二面性を持ち合わせているという良い事例である。

日本を振り返れば、バブル崩壊後、幾度と無く行われた公共事業・景気刺激策の効果は一時的なものに終わり、財政負担のみが増大した。その後、日本人の心を擽るような「第二次世界大戦の特攻隊」を例に出し市場原理主義を主張した小泉政権、ふたを開けてみれば何て事はない40兆円を優に越えるアメリカ・ドル買いと郵政資金のアメリカ投資銀行への貸出しを狙った思惑であり、その上、何ら効果のなかった日本の低金利政策によるアメリカ投資銀行のレバレッジ効果への寄与、また、「かんぽの宿」払い下げに見られる私物を肥やす族の台頭を許す有様だった。このかんぽの宿を巡る払い下げ問題を扱う報道と今回の小沢一郎政治資金管理団体をめぐる問題とに隔世の感を感じるのは私個人のみではない。異様なまでの報道のし方に戸惑いを隠しきれない多くの声も存在している。
この政権下で地方は疲弊し、前回の衆議員選挙で戦後始めて自民党に変わる政権交代が実現したが、ギリシャ財政危機問題にしろ、日本の今回の政権交代事例にしろ、世の中の二面性をつくづく感じさせる出来事が続いている。

これら事例を出すまでもなく、世の中は長い時間を掛けての起承転結を繰り返す。この観点から眺めると、アメリカ・レーガン政権以降、強いドルを模索した挙句アメリカ製造業は輸入品に押され、海外進出なり海外企業への技術移転により急場を凌いだが、長い目で見た場合に国内産業の空洞化に繋がりアメリカ経済には得策ではなかった。そして、この流れは今の日本が後追いしているようにも映るのである。
貿易不均衡問題・為替操作問題・各国財政問題・・・など問題視しているが、この前提にしているのがグローバル経済・自由貿易是認派である。グローバル経済・自由貿易によりGDPの上昇期待ができるというのがその根拠になっているが、その中には隠されている経費、将来に渡って計算できない支出などの経費も存在するものと思われる。この二面性故に、経済政策の主張などいくらでも正当化できるのである。それが経済学ということになるのかもしれない。
その上、世界経済全般を見渡し大胆予測をするならば、EU各国の財政問題よりもアメリカ・ドル基軸通貨の存在が危ぶまれつつあることを見落としてはならない。世界経済が安定に向かうにはアメリカ・ドルの地位下落が必要十分条件だ。