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タイトル
- 嵐の前の静けさ、世界経済(2007/07/16)
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中国の貿易黒字が記録を更新し続けても、世界の経済ニュースには顔を出さなくなってきた。最近の世界の経済ニュースではもっぱら、Problems in America's housing market , The subprime mortgage などの活字が飛び跳ねている。ローン返済の延滞率が当初予想を上回ったこと、信用度の低い借り手向けの高金利型(サブプライム)住宅融資を担保とする米債券の格付け引き下げなど、徐々に、アメリカ経済をそれらが蝕み始めているようにも映る。1997年のバブル崩壊に伴う北海道拓殖銀行、山一證券の自主廃業の時のように、日本の経済評論家はその事態になってもデフレになる可能性は薄いなどと宣っていたことを思い出す。が、世界の経済評論家は流石に能力の高さを窺わせる。危険・危機など素直に訴えている。投資家にも自分が何に投資しているのかを確認するようにも促している。
日本郵政公社が手数料目当に売りまくっている投資信託に、それ等を購入した人間がハッキリとした自分の投資感覚で購入していたのであろうか。朝日新聞が以前郵政公社職員の言葉として「投信を購入している人のなかに完全に理解しないまま購入している人がいる。また、公社職員には名目はノルマではないがそれに近いものがあるから無理にでも」と、報道していた。
日本郵政公社の投資信託販売が問題視されるのも時間の問題のような気がする。年間10億ドルもの純利益を上げるだけのヘッジファンドにとって、歯車が逆廻りをしたときの、その破壊力は想像を脱したものになるだろうと想像する。
そして、参議院選挙・今回の新潟県中越地震などのニュースの陰で着実に世界的バブルがはじける準備をしているように思える。
- 世界の流れと日本の流れ(2007/07/11)
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中国の貿易黒字の勢いがなかなか止まりそうになさそうだ。中国政府が世界各国からの貿易黒字批判に対し打ち出した輸出奨励金廃止にも関らず、また、中国製品の安全性に対し疑問視する各国報道にもかかわらず先月(6月)も記録を更新し続けている。また、中国とは地球の反対側にあるブラジルも自動車生産が好調で生産が追いつかずメルコスール(南米南部共同体)の利点を利用しアルゼンチンに自動車工場進出という話しまで持ちあがっている。ロシアではイタリアのエネルギー会社を買収する話しも出ており、なにか世界経済の中心がアメリカ経済中心から新興国を中心とした分散傾向へと移り始めているようにさへ思われる。
そのような背景のなか、アメリカ主体のWTO並びに世界銀行の存在が取り沙汰され始めてきている。WTOではドーハラウンドの決着が先延ばしされそれも決着する望みがほとんど無い状態だ。世界銀行の存在では世界銀行建物事態の他の方面への有効利用の話しまで出る御粗末さだ。サブプライムモーゲージ投資での損失を始めとするアメリカヘッジファンドの今後の処理にまつわる不安がアメリカ経済に重くのしかかってきている。
一方、目を日本に向けると議員の事務所費問題・年金問題と、議員公務員をめぐる報道が後を絶たない。そして、東京がオリンピックに立候補する話題、東京の日本橋を世界金融の中心にしようとする話題、が出ている。世界経済が地域化ブロック化が主流になり始めている時に世界の金融の中心などあり得ないことである。世界経済を完全に無視した思惑的発想である。
社会保険庁の不始末をめぐりボーナスの返納が話題になっているが、これら不始末は上層部だけの不始末である。言葉は汚いが下っ端の役人または非正規職員は上からの指図でしか動けないのが事実である。監督するだけの能力が無かったというしか言いようの無い話しだ。権限の移譲と責任の問題に関る話しであるが。
これら世界経済の流れを読み取る能力と日本の議員公務員の資質を考え合わせると、社会保険庁だけの問題ではなく日本の制度自体に巣食っている問題のようにも映る。
- 小泉・竹中経済政策で生み出した世界経済バブルがいよいよ破裂か(2007/06/25)
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サブプライムモーゲージ投資で損失を出したアメリカの2ヘッジファンドが強制的に破たんに追い込まれた。その影響が市場に波及するのではないかという懸念から米REITが下落。日本のREITも五月高値から10%以上下落してきている。この破綻した2ヘッジファンドへ日本の銀行・証券会社が貸付していたのかは定かでないが、今後のヘッジファンドの成り行きにもよるが日本の金融会社にその影響が出てくることは確かで予断を許さなくなってきた。
世界の貧困を救うという美辞麗句で言葉巧みに推し進めたアメリカ「自由主義」であったが、ここにきてようやく化けの皮が剥がれ始めてきている。金融の世界制覇を目論んだアメリカの世界経済政策であったが、各国ともそのアメリカの思惑を巧みに利用し自国の成長を果たしている。ただ、今後のアメリカの経済成長鈍化でどの程度の影響を新興国諸国が受けるかは定かでない。
そのなかで唯一利用されるだけ利用されたのが日本だ。アメリカの自由主義宣伝マンこと竹中氏はいまだゼロ金利を主張しているのだろうか。五月九日のアメリカのシンクタンクの講演の中で日本経済の課題について日銀の金利引上げを痛烈に批判していた。しかし、最近の世界銀行の年報の中でハッキリと日本の異常金利に触れ、また、世界経済に悪影響を及ぼしている事実をも認めている。そして、日銀の金利引上げを後押ししているのだ。
世界貿易機関(WTO)のドーハ・ラウンドの決裂など、インド・ブラジルなどがアメリカの推す自由貿易に反対している。小規模の貧困国の発展を阻止するようなことをすべきでないというアメリカの主張に対して、貧困層を多く抱える両国にはそれどころではないという国内問題を抱えているのが現実だ。
公的私的医療保険に入っていない国民が3700万人全体の15%を占めるアメリカがこれほどまでに世界の貧困層を考えているとは到底想像できない。その裏を必然的に考えてしまうのは当り前だ。その背後にどうしても世界の金融を抑えたいというアメリカの野望が目にちらつく。世界をアメリカドルの影響力配下に置き、世界の民はアメリカのために労働しその配当はアメリカに還流されるのである。その儚(はかな)い夢を追い求め続けているのである。それを追い求め過ぎたためのバブルがここにきて雲散霧消の姿になり始めてきている。アメリカの野望の心配よりも、バブル崩壊の結末のほうが心配になり始めてきた。
- アメリカ経済失速に伴い円高が襲う(2007/06/20)
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ヘッジファンドのマネージャーがまとまった円買いを行っても円高にならないと愚痴をこぼしているほど日本の投信の海外への投資が衰えをみせていない。個人資産1500兆円以上の一割にも達していない数字である。まだまだ、海外の債券・株式へと流れるのであろうか。
ここにきてアメリカの住宅問題が表面化してきた。以前からもアメリカの住宅問題は取り上げてきたが、家を手放した債務者が借りる賃貸住宅の需要で少しの期間需要を押し上げていたが、これが一巡してようやく本来の姿になってきた。アメリカ政府筋からも最近では強気の発言がまるで聞こえなくなってきている。それどころか投資会社からは今年の夏以降アメリカ経済が冷え込むと予想すら出始めている。投資会社が弱気になることはかなりのことと理解した方が良い。
そして、アメリカ経済の減速とともに新興国の債券が気に掛かるところである。景気減速にともない金利が下がりそれにともない資本の流出が起こるか流入が止まるかで、自国通貨が下がりアジアの通貨危機同様の危機が起こることも考えておかなければならなくなった。しかし、中国・ロシアを始め為替を管理するまた危機回避能力が以前よりも格段とあがっているということで、ある程度の減速で収まるのではないであろうか。
ただ心配なのは海外へ投資した日本の個人資産である。アメリカ並び新興国の経済減速で海外へ投資した金額が目減りすることは間違いなく、郵政公社が勧める投信の販売がどのような変化をもたらすか注意して掛からねばならない。個人資産の海外資産の引き上げがあれば円高がかなり進むものと思われ日本株に投資している海外の機関投資家の閻魔顔が目に浮かぶ。その逆に、アメリカ並び新興国の経済減速にともない日本の個人資産がナンピン買いよろしくこの機会とばかり投資を増やしていくのかも今後の判断の分かれ目でもある。
世界経済がいまだかつて経験したことのない未開ゾーンに突入していることだけは確かなようで、今後の転回には耳と目を両方立てなければ対処できないであろう。
- 政府の推す自由主義とはかけ離れた政府の日本的経営(2007/06/18)
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「民に出来ることは民に」を主張し小さな政府を主張するアメリカ自由主義者の日本のスポークスマンこと竹中氏の主張をバックに、小泉政権とその後を継いだ安部政権はアメリカのその意向のごとき推進している。だれしもこれからの労使関係はアメリカのようになるのだろうと思い巡らしていたものと思う。土地も無ければ資源も無い日本が世界で生き残るには貿易で稼がなければならないのは当然の帰結であろう。それを裏付けるように経団連の御手洗氏は外国人労働者の解禁を訴え始めた。これは生産コストの削減を狙ったもので世界の競争力を保たねばならないという思いからだ。非正規職員の比率も高まり生産コストの削減は徐々に定着し始めている。
これら一連の流れを考えると、日本の労働市場もアメリカの如きマニアル化されるものと考えられる。すなわち、となりの席の人がどのような仕事を行っているのか自分には関係ないのである。隣の人が休んだら上司がその手配を考えるだけで、自分は自分のマニアルだけをこなせば良い事になる。そして、この流れはすでにその方向へと動き始めている。また、だれしもそうなるものと信じているだろう。意識しないながらも労働環境がその方向へと進んでいる。和を重んじる伝統的日本的経営はその中にはない。この政策を勧めてきたのが小泉・安部政権である。
一方、昨今の社会保険庁の不始末の処理の、政権の言い分を聞くとこの流れに逆行するものがある。「一生懸命やらない人は、民間に移行した時には辞めてもらう」などは良い例で、マニアルがあれば一生懸命もなにもないのである。国民への電話の対処などをみると政府政権はマニアル以上のことを職員にやらせようと、また、願っているふしがある。自分の都合の良いときにだけ「和を重んじる伝統的日本的精神」を訴える姿は呆れる以外になにも無い。
そして、この年金システムにかけた経費が一兆円程度というからには、そうたやすく民間に移行されては困る、この事件の諸悪根源を徹底的に調査してから移行すべきであって選挙目当ての責任の擦り合いなどもっての他だ。厚生省と言えば、薬害エイズ・年金の運用の不始末、薬品関係会社への天下りなど色々と臭い匂いのするところである。社会保険庁の民間移行はトカゲの尻尾切りだけである。
- 人の行く裏に道あり花の山(2007/06/13)
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世界的な債券売りが始まり金利の上昇を招いている。そして、アメリカでは サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅ローン)をめぐる問題が表面化してきている。アメリカ投資銀行大手傘下のヘッジファンドの運用成績の悪化が報じられ、住宅ローン市場が動揺しているという。今年始め頃は、家を手放した債務者あての賃貸住宅が住宅販売を支えていたが、ここにきてそれも一巡し数字がハッキリと表われ始めてきている。それらの影響と世界的金利上昇の傾向とで債券の売りが重なっているというのが背景であろう。
債券と金利との関係であるが、例えてみると、100万円の債券(金利3%の国債)を二年前に買ったとする。現在、単純計算で106万円になっている。ところが国債はいつでも売買いされているので、その債券が売られ値が下がり80万円になったとする。その時点で計算すると国債の値段80万円と金利6万円で手取が86万円ということになり実質20(106-86)万円の損が出たことになる。その他にも考えられることに外国債券に投資している投資家は為替の関係もあり計算が複雑化している。日本の投資信託経由で外国債券をも含め購入している金額が120兆円を超える規模にまで成長していることから、その行方も気に掛かるところだ。
そして、諺ではないが、「日本人が出てきたら相場は終わり」・「人の行く裏に道あり花の山」ではないが、そして日本の証券会社で株の信用取引をし失敗し決済不能を起こし総額で10億円もの損を出したというニュースも伝えられているが、ここ二・三ヶ月間の株式の投資主体別売買高の推移を見ると外国人投資家が凄い勢いで買い続けていることだ。この背景をどのように説明・理解すれば良いのだろうか。行く先に本当に花の山があるのであろうか。
参考資料:月間の3市場投資主体別売買代金差額
- アメリカの一極支配の野望(2007/06/11)
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中国の貿易黒字を背景に、アメリカは保護貿易への動きに傾いている。次期大統領に名を連ねている候補者のすべてがその方向である。主に、中国の輸出企業に還付する付加価値税が米国製品の価格競争力を低下させているとして、それに対処する法案だ。
それに対し、中国はアメリカの貿易赤字はアメリカ自体に問題がある、と反論している。
一方、ミサイル防衛システムにゆれるNATOでは、今回のサミットで旧ソ連アゼルバイジャン共和国にある旧ソ連製レーダーを使用する共同基地の設置をアメリカ側に逆提案している。
中国・ロシア、この二の国に云えることはアメリカの推す自由主義経済に抗していることである。自国経済の安定を優先していることが政策的にも窺える。
中国は郵便局の保健業務を実施しその資金を基に高速道路建設など内需拡大と地域間格差の解消・失業率の低下という一石二鳥をねらっている。
ロシアは、自国エネルギ資源の国有化・海産物資源の保護などを打ち出し、それらの政策が大国ロシアの復活とまではいかなくともその威厳は保持したいプーチン大統領の国民からの人気の由来するところであろう。
この二国をはじめとして、資源大国は自国の資源の有効利用を考え、また、資源確保に動き始めている。その動きがアメリカにとっては脅威に映るのであろう。資源の値段を左右できていたアメリカの金融市場ではあったがSOX法に施行によりその地位をイギリスに奪われ、また、資源国のOPECに代表されるような組織が力を付けるに従いますますアメリカの地位は下がり始めている。東ローマ帝国・モンゴル帝国を夢見たアメリカではあったが、その想いは徐々に陰を薄めている。
- 中国経済の減速政策(2007/06/02)
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アメリカの貿易赤字のほぼ30%を占める中国の経常黒字はGDPの9%に達している。ちなみに、日本の場合にはここ5年間をみても1.5-2.3%範囲内である。そして、 輸出奨励金廃止の駆け込み輸出とはいえ2007年の最初の4ヵ月で2006年の同期間と比較して88%の伸びになった。
中国からの輸出がおさまらないアメリカが業を煮やして、著作権問題などに関してWTOへの提訴、相殺関税などの法案の提出も考えられている。それらとともに、自動車輸出の日本に関しても風当たりが強っまているのが現状だ。
一方、中国は貿易赤字は中国の問題ではなくアメリカ自信の問題だと主張しているが、過熱した景気を抑えるために矢継ぎ早に、資産バブル・株式相場の高騰などへの懸念材料を払拭すべき株式売買などに課する印紙税率の引き上げを実施し、最近になって株取引のキャピタルゲイン課税やその他の課税措置をも計画しているというウワサが流れて始めている。これらの処置はアメリカの目指すところの自由主義経済の流れに抗する政策のようにも思われる。中国の実態経済の実権を握りたいアメリカの金融サービス業ではあるが郵便局の保険業進出などはそのよい例であろうか。
中国はアメリカの目指すところの自由主義に抗するような、中国の主張する「新しい発展モデル」への挑戦でもあろうが具体的にまだその姿は見えてこない。ただ、国内問題として開放路線を打ち出してから、地域間格差・非識字率の増加・高齢化・収賄事件などの社会問題が顕著化していることにより、国内問題を優先させる考えではなかろうか。国内の不満を抑えるためにも優先せざるを得ない事柄である。
金融・サービスを通して世界経済の実権を握ろうとするアメリカのその野望は今後も中国の開放を強く求めるものと思われその行方を充分注意しておかなければならない。しかし、世界を親米・反米・中間と区分けすれば、規模はまだ小さくとも反米・中間諸国で経済を順調に発展させるだけの力を持ちつつありアメリカ経済の力の衰えを感じざるを得ない。このまま黙って引き下がるアメリカでもなく、今後も中国への要求、世界経済戦略などすでに練られていると思われるのだがその行方は如何に、それとも、このまま無抵抗のうちにアメリカ経済の力が萎えていくのか見物というところか。そして、世界経済のなかの日本が世界地図のように小さく小さくなりつつある。
- 日本の「たら」政策と「たら」対策(2007/05/27)
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アメリカからの中国批判について.....対米貿易黒字の縮小に向けた中国の政策の進展が遅いことへの不満が、米国議会で一段と高まっている。また、その不満を抑制することも難しくなってきていると表明。余談になるが、日本の輸出についても付け加えておくならば、日本の自動車産業も円安により車一台当り20ー30万円の補助金を出しているようなものだ、と批判している。
その中国批判に対して.....米中戦略経済対話のため訪米している中国団、並びに、国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)においての意見などをまとめる、「米国との不均衡問題」については、中国はまだ途上国であり、サービス・貿易などで米国とは違いがあると強 調し、そして、安定的な改革を続けていくことを強調している。根本的な問題は米国にあり、国内消費を抑え、貯蓄率を引き上げるべき政策を取るべきだと主張。
また、アメリカブッシュ大統領が、急拠、環境問題を言いだしたことには世界中驚いたことと思うが真の狙いではないことだけは確かなようだ。その「温暖化ガス削減問題」についても、先進国と途上国とを同じ枠にはめるのは可笑しい、また、1人当たりの排出量は先進国の方が多いと主張している。
どのような結果を辿るにせよ、これらの中国の主張には一理ある。また、アメリカに対しも自国の主張をハッキリと述べている。
一方、日本の政策は安全保障に関する憲法解釈の問題だ。あとになって訂正はしているもののカーター米国元大統領の「ブッシュ政権は世界中の国々に悪影響を与え、ブレアは世界に大きな悲劇をもたらした」批判のように、ブッシュ政権になって世界の緊迫度が増してきているといっても過言ではないだろう。北朝鮮核問題、中国脅威論など全面に出しての集団的自衛権の憲法の解釈をめぐっての問題だ。集団的自衛権行使に関する政府の有識者懇談会なるものまで作り、国会という立法府をないがしろにした行為である。その背後には自衛隊という戦力を利用したいという族の指図が感じ取れるが...? そして、最近の新興国の勃興によりアメリカ経済の関与無くして持続できることへの自信で、世界を牛耳っていたアメリカの存在が薄れてきていることへのアメリカの焦りさへ感じさせる。
このように日本政府の政策は〜したら、〜になったら、のタラ政策である。これらも大所・高所から重要であろうことは否定しないが、経済の力強さにかけた日本経済の再生に関する政策が感じ取れない。老後の保障・医療費・人口減少・兇悪事件・中高年の自殺問題から始まりネットカフェ難民・ホームレス問題、これらをどのような政策で解決していくのかまったく見えてこない。経済の力強さは国内の消費力である。その消費が毎年下がり続け経済の成長とは程遠いところにある。このような状態で産学連関といってもどれほどの新しい産業が芽生えるのであろうか。余程の運の持ち主か、大企業の資金力を借りなければ成功は無理ではなかろうか。
日本政府がこの「たら」政策に終始している間、国民も国家破綻したら、貧乏な老後生活になったら、会社が倒産したら、戦争でも始まったらの「たら」対策しか考えられないのである。
- 三行半(みくだりはん)を下した個人マネー(2007/05/24)
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円安がジリジリと進んでいる。エコノミストの予測では125円を目指すのではないかとささやかれている。4月のG7で円安が問題にならなかった事に加え、今回のG8でも円安に触れられなかったこと、並びに、元高によるアジア通貨の軒並み高にもそれほど反応しなかったこと、で円が売られやすい地合が続いていると判断されたことである。ちなみに、中国を始め、韓国、インド、ブラジル、カナダなどでも何十年かぶりのドルに対する高値を更新している状態だ。
そのなかで、一人意気消沈なのは日本だけである。日本の大手のスーパなどが加盟している日本チェーンストアー協会と百貨店の売上合計が2001年から昨年までの差で約2.6兆円もの売上高減少を示している。その他、自動車の新規登録台数の月間登録台数の連続減少の記録、最近ではその勢いが軽自動車にも現われて来ている。しかしながら、政府の口からはそれを認めようとしない、認めたくないとばかりに、悪い傾向を示しているにも関らず横ばい状態なのである。こ2007年1ー3月期の実質GDPをみると前年同期比で0.8から0.6へ、前期比では半減している数字を表わしている。このような消費不振にも関らず政府はこれといった政策も立てていないか、たてても一向に効果の上がらない政策を立てているかのどちらかである。
そして、前回のグラフをみれば分かるように、日本政府に三行半(みくだりはん)を下した個人マネーの、投資信託・ヘッジファンドなどを通しての海外新興国への資金の流れ(円売り)が止まらないことにより、これらが円安の要因の一部と考えられるが、この流れが止まったときに、逆の流れが生じたとき、すなわち、円買いが起こす円高を考えるとゾッとするものがある。
そして、時事通信が伝えるところによると、グリーンスパン前FRB議長は過熱する中国株式について「劇的な収縮」への懸念がある、と述べている。
相場に個人が出てきたら手仕舞
人の行く裏に道あり、花の山
昔からの諺だが、最後にひとつ
「格言は忘れた頃にやってくる」
- 為替相場の不安(2007/05/18)
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左図1は、2001年度より上場が可能になった不動産投資信託41銘柄を対照にした、出資総額残高と発行済口数の総数をグラフにしている。出資総額残高と発行済口数が毎年同じ割り合いで一直線上に増加している。毎年5千億強増え続け2006年末で約3兆2000億円になっている。昨今の土地・建物のバブル再来とまでいわれている背景の一端をなしているようでもあるが、今後の金利の動向にもより、土地・建物の値段に敏感に反応すると思われる。
左図2。その間社団法人投資信託協会のデータによると2001年末から2006年末までの間に投資信託の証券投信部門への資金の流入が45.2兆円から68.9兆円と増加している。また、2007年4月末現在、その残高は約75.9兆までに増え、その内約4割りに当る32.3兆円近くが外貨建分で運用されている現状だ。
郵政公社でも日本国債を売るよりも大きな手数料収入が得られる投資信託に力を入れているということで肯ける数字になっている。ちなみに、2000年末から2005年末(2006年末の数値はまだ出ていない)の5年間で郵便貯金の現在高が約50兆円近く減少していることから、低金利を嫌った個人資産の一部が投資信託へ流れていることが読み取れる。そのうちの一部が不動産投資信託へも流れ、また一部は個人で行なっている為替相場・外貨預金の形であったり、預金封鎖などに備え外貨のタンス預金なども考えられるかもしれない。その流れが昨今の円安の原因になっているといっても過言ではないだろう。
そして、ここに来てアメリカブッシュ政権の基盤とも言うべきネオコンの訴えていた自由主義が世界経済に徐々に矛盾を生みだし、それを阻止しようとする力がアメリカ民主党支持に動き、世界銀行を私物化するネオコンのウルフォウィッツ総裁の女性問題をきっかけにした辞任として現われ始めている。そしてそれとともに、日本経済への戦略が変更されてきている、と考えるのは当前の結末である。
動きとして、円安批判が強まっていることだ。円安という言葉は使わなくても一方的な貿易黒字に対する批判である。日本の個人資産が大量に海外へ流れることにより円安はなかなか止まらない。世界のエコノミスト逹は日本の金利の低さを修飾する形容詞が見つからず困惑しているほどの日本の低金利であることに間違いはない。
それらが、福井日銀総裁の最近の強気の発言の背景と受け止める。プラザ合意(1985年)の流れからの円高により金利を下げて起きた第一次バブル、そして、今回は金融自由化を背景にした日本が起こしたと疑いのある世界的バブルの恐れ、その恐れを危惧する各国の要望が日銀を動かすものと思われる。これらすべてはアメリカ経済の不始末が日本経済に影響しているのである。アメリカ追従のみの政策しか立てられない政府の責任である。このようなことを書くと、日本はアメリカの「核の傘」を主張し日本の核武装を頻にしたがる連中がいるが、そのような人間が核をもっても所詮問題など解決しないであろう。EUの中心として動いているドイツをどのように考えているのか聞きたいもんだ。
すでに、アメリカでは日本の低金利による円安が問題になり始め、日本経済に対するアメリカの政策が変り始めていることを認識しなければならない。5月の日銀政策会合で現状維持を決定したが、世界経済は日毎に変化を見せ、円の独歩安になる懸念の声まで聞こえ始めている。
- 報道姿勢に異変あり(2007/05/15)
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景気動向指数のうち、先行指数は5か月連続、一致指数は3か月連続で50%を下回っている。一致指数が三ヶ月続けて50%を下回ると今までの判断では景気の分かれ目とされている。機械受注総額に関しても輸送手段の造船関係を除けばその傾向を強めていて今後の経済の先行きに暗雲が立ち込めてきた模様である。それを裏付けるように、19年度の決算予想で減益と予想する会社が多くなってきている。アメリカ経済の先行きと円安に対するアメリカ側からの圧力など、日本経済には風向きが厳しくなってきている現状だ。
小泉・竹中両氏の、そして、その後を継いだ安部首相の推し進めている「自由主義経済下において、民に出来ることは民に、そして政府は小さな政府に」、言い換えれば、内需関連産業から輸出産業への労働移動を起こし、自由主義経済下に於いては貿易でしか生き残れないという自由主義経済の考え方を進めたが、ここに来て、その考え方に息詰まりを感じさせる。自由ということばにだれしも憧れを感じたのであろうが世界は小泉・竹中両氏の甘い考えを許さなかった。
前々から説明しておいた日本のエネルギー戦略・食料戦略がいかに適当に練られているか、中国の活発なエネルギー戦略に刺激を受けてか、はたまた、アメリカのイラン攻撃の裏情報が入手出来たのかは知らぬが、それにより中東に80%以上を頼っている日本のエネルギーの航路が封鎖される恐れで急拠沖縄の石油基地をサウジに提供する政策など、慌てふためく日本の戦略に甚だ疑問を持つ。一方、国民の消費についても世界のエコノミストの中には今の日本の経済状態を患者として扱っているのである。個人資産1400兆円の金利を国民から没収し消費が振るわないのも当前だと批判する意見で、出費が増えない限り患者名簿から取り除くことができないと評している。これらを考えあわせると戦略も持たずに「自由主義」をうたったのではなかろうかと考えたくもなる。
小泉氏の唯一大成功をもたらした戦略は人気を上げるマスコミ戦略だけだった。思いつきによる北朝鮮訪問、それが今も北朝鮮との問題解決に尾を引いている。
そして、今までそれに載せられていた報道機関が微妙に姿勢を変えている。輸出主体とした産業の減益予想で自分達の広告収入が減り始めるのではないだろうかという危惧からではなかろうか。なにはともかく、マスコミ受けするのみの戦略だけでは今の激変している世界経済の舵取りは無理である。
- 新興市場(JASDAQ)の異常な姿(2007/05/22)
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2006年度からの最高値と5/21現在の終値を比較してみる。
インターネット関連:
RA社 max: 119,000 終値:40,250(66%の値下がり)、
EX社 max: 1,510,000 終値:170,000(89%の値下がり)、
BA社 max: 183,000 終値:50,100(73%の値下がり)、
MI社 max: 3,250,000 終値:1,370,000(58%の値下がり)、
サービス業関連:
Al社 max: 728 終値:167 (77%の値下がり)、
PA社 max: 290,000 終値:108,000(64%の値下がり)、
PP社 max: 231,000 終値:46,000 (80%の値下がり)
ちなみに、同じ期間内で調査するとJASDAQ 975銘柄中10%未満までに値下がりした銘柄数519銘柄、 10%以上20%未満が168銘柄、併せて687銘柄、約70%近くの銘柄が売られ続けている。 この原因は?
- 日本の戦略「食料と農業」(2007/05/14)
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前前回では、世界のエネルギー、特に原油に付いての説明を行なった。その後、韓国はアメリカとの自由貿易協定(FTA)を交わし、特に韓国自動車業界並びに電子電機業界の躍進を願っての政策であることに疑う余地は無い。そして、日経新聞が伝えるところによると訪米中の竹中平蔵前総務相がワシントンで「FTAに関して安倍首相は積極的で日米FTAの方向に動く準備ができている」と伝えている。
FTA締結では農業分野の問題などを抱えていることから参議院選挙後の事項になることと思われるが、日本にとってエネルギー戦略と同程度の位置を占める日本の食料自給率に付いての、日本の戦略を考えてみる。
食料自給率を算出する上で、カロリーベース総合食料自給率、生産額ベース自給率、飼料用を含む穀物全体の自給率の三通りがあり、その各々の数字は農林省調べで、カロリーベースで40%、生産額ベースで69%、飼料用を含む穀物全体の自給率ベースで28%、とされている。FTAを論じるときには、食料自給率が問題視されているが、世界の食料を巡る状況が一変していること、予てより食品類のページでも説明していたが、それについてアメリカ・オーストラリアの農業の現状を調べてみた。
今年の始め、ブッシュ大統領の議会の一般教書演説の中で代替燃料の政策について言及していたように、エタノール関連への投資に助成金を支給し、それがアメリカ農業を活況づけさせている。コーンの生産、エタノールの精製、食物たんぱく質をはじめその他の栄養分を含むエタノールの精製からの絞りカスを家畜の飼料に、 飼料を運ぶコスト削減のためにエタノールの精製会社と畜産業者の融合化など、以上のように新しい農業がアメリカでダイナミックに再生し始めている。
一方、オーストラリアでは、昨年11月、干ばつによる小麦生産高が低水準に縮小する可能性があることから家畜飼料向けの穀物輸入を行なうための調査を開始し始めている。観光客でさへ穀物の持込に厳しいオーストラリアでは異常な事態である。そのオーストラリアでの干ばつは依然続いており第二段階の給水制限を近いうちに実施する予定とのこと。これらを考えると、遺伝子組み換え作物の輸入の心配どころか世界的食料不足に陥る可能性も出てきている。FTAによる日本農業の衰退という危惧から形を変えた食料問題が浮上しそうな勢いだ。原油の値段が食料の値段を決定するという状況に変化しつつあり、穀物自体の値段の変化と輸入による為替の変化などにより一層穀物の価格が不安定さを増しているようにも思われる。
毎年、自国の自給率を上げるべき予算を組みながらその効果は現われていない。天下り確保のための税金で真剣に自給率を上げようとする気概があるのか疑われる始末だ。休耕田の奨励だの、大型農業母胎の実現だの、株式会社の参入だのと実体農家の現実・意見を繁栄させていないことへの改革がその根底にあると結論付けられる。食料の安定供給と安全性を具体的に実現出来ないでいるのが現状だ。
以上述べてきたように、日本の農業に対する方向性がまるで見えてこない。食料の安定供給と食料の安全性が二題テーマで分かりやすいにも関らずである。国民にとって食の安定と安全がなにより重要である。昨今の世界農業を取り巻く変化は、今述べてきた通り価格の不安定さが強まり、ハイブリッド種(遺伝子組み換えした品種)の種子が足りないところまでコーン作付けが急拡大していること、片や、食物バイオセキュリティーに関心の強いオーストラリアが干ばつということで食の安全までもが脅かされる心配になってきている。今までの品種改良のように遺伝子をホモ化しヘテロ効果をねらったF1(一代雑種)ではなく、人間の手によりまったく新しい自然界には存在しなかった作物の安全性をどこまで信用して良いものか、また、安全であると言い切れる人間がいるのであろうか。何代か経った後にその弱点が現われてくる可能性も捨てられないであろう。
このような状態のなか一般的に言えることは、日本の将来に対し「希望の持てない社会」が今の日本の国民の姿であるように思われる。将来に希望が持てるならここまで消費が減退することもなかったであろうし、非正規職員として甘んじている人間の、社会への変革(不安定な生活からの脱去)を戦争でという右傾化の動きも起こらなかったであろうと思われる。だれしも、安全であり、安心であり、安住、を望んでいるのである。それをかなえるのが政治であり国の責任であり義務でもある。
参照先:
干ばつ被害によってオーストラリア、米国とカナダから穀物輸入認可へ
IOWA ethanol Economy(http://www.economist.com/)
- アメリカ政府と日本政府との微妙なズレ(2007/05/11)
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ASEANプラス3(東南アジア諸国連合と日中韓)の財務相会議でアジア版国際通貨基金の構想がねられた。1997年に襲ったタイ・バーツのヘッジファンドによる空売により急激な通貨下落を起こされ、それを機に、世界を一周するほどの経済混乱を起こしたことへの教訓として、通貨危機の再発に備え外貨準備をプールすることで合意している。
そのアジア経済ブロックのミニIFM化の動きに対し、アメリカは「民間のベンチャー・キャピタル・ファンドと張り合う必要はなく、中銀の資金運用を担う必要もない。」と、コメントしている。
金融サービスを得意とするアメリカのファンドに、ようやく順調になりつつある自国経済をアジア通貨危機時の二の舞にされたくないという気持と、米サブプライムローン(信用度の低い借り手への住宅融資)の融資残高約1兆3千億ドル(150兆円)に絡むアメリカ経済の減速、2006年末の調査で、少なくとも30日間の支払遅延が生じているのが19%に達しているなどドル下落への心配とがASEANプラス3の本音である。
このサブプライムローンに関しては、アメリカ経済を脅かすほど大きなものではなく限定的とし、当面、比較的低成長が続くとしても、年後半から来年にかけて持ち直すのではないか。景気後退リスクには利下げ余地もありソフトランディングが基本シナリオと政府当局者はコメントしているが、その一方、インフレリスクがあり金利操作に悩んでいるのが財政当局でもある。スタグフレーッションの指数が現われているという関係者も中にはいる。そして、日本のアメリカローン会社に貸し付けた金額の焦げ付きが最近話題にも出始めてきている。
このアジア版国際通貨基金の基軸通貨の主導権争いが、日本と日本の外貨準備をも上回った中国の、東南アジア経済の今後をうらなう上で注視というところ。それと、実質アメリカが実権を握っているIMFも各地域のブロック化の動きでその力は弱まり、日本のこのような動きを痛し痒しというところで見守っていられるのか、それとも、圧力を掛けてくるのかは判断に迷うが、今後の世界経済にこれらがどのような影響を及ぼすのか注意しておくところでもある。
余談になるが、昨年一年間で10億ドル以上の利益を上げたファンドが三社あるというが、ぬれ手に粟の投資がそれほど長続きするとは思えない。
- 世界エネルギー戦略(2007/05/07)
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最近のニュースで、安部首相がアメリカ訪問後に日本経団連百数十名を引き連れての中東産油国訪問、並びに麻生外務大臣がロシア・エジプトなど、資源エネルギー国を訪問している。その背景を探ってみた。

左図は、世界の主要石油産出国の埋蔵量の数値をグラフにしてみたものである。資料として使用したのは2005年度外務省の「世界の原油の埋蔵量、生産量、可採年数」データを採用し、また、中国の赤棒グラフは最近(2007/02)発表した資源状況指数から得たものである。1バーレル=0.135トンで計算している。その後、中国石油天然ガス集団(CNPC)が今年5月3日渤海湾で確認埋蔵量約30億バレルに達する油田を発見したと明らかにしていることからその数はまた増えることになる。参考にした資料は下部に示しておくことにするが、その他の国の新しい数値は得られなかった。
さて、安部首相は中東訪問時に沖縄石油基地をサウジアラビアに提供することにより非常事態時に日本が優先的に使用できるように働き掛けている。小資源エネルギー国家「日本」にとってこれが取るべき姿でもある。
そして、可採年数が今のままの使用料で行けば世界平均で40年という数字だ。40年間で枯渇することになる。ただ、埋蔵量という数字には現在の技術とコストにおける可採可能な数値で、今後、技術開発ならびにコスト的に見合う値段に石油が上がってきた場合には埋蔵量自体が増えるものと考えられるが、現時点ではこの数値を取る以外方法は無い。以上のように石油産出国には長い目で見てもまた昨今のバイオエネルギーの開発など石油だけに頼っていられないという現実も横たわっている。
このような状況のなかで、中国はサウジアラビアの紅海沿岸に40億ドルを投じてアルミニウム・コンビナートを建設しようとしている。中国は自国のエネルギー資源の節約とサウジアラビアは石油以外の産業の発展という互いの国の利益が合致したものと受け止められる。その他、希少金属の産出するアフリカ各国の、それも内紛の激しいまた人道上の問題を抱えている、世界の各国から批判されている国々にまでも蝕手を伸ばしているというのが中国の現在の動きだ。このように各国とも激変している世界経済において積極的戦略を展開している。
アメリカも最終的に中国から石油を買って中国と喧嘩でもしようというのか。社会主義の計画経済が破綻し市場経済に移行して歳月が経ったが、ここにきて市場経済の歪みのようなものも感じる。計画経済に失敗した社会主義国ではあるが最近の動向をみると旧社会主義国の国家戦略の巧みさを見せ付けられる思いだ。
日本はここにきてエネルギー問題でようやくという感じである。躍動感に満ちあふれる世界経済の動きと「憲法改正」に執念を燃やす日本政府、自由経済を標榜しながら何ら戦略無く非常に情けないと感じるのはだれしも同じではないだろうか。日本の今やらなければばらない優先順位を考えるならば、「憲法改正」という問題は五本の指のなかに入るのだろうか。そして、経団連を引き連れての訪問で、相手国の輸出振興センター会長は
「日本は石油しか頭に無い、我々は石油に頼らない国にしたいのに」という談話を残している。
外務省「外交エネルギー問題資料」
チャイナ・ネット「中国の事実と数字」
- 円キャリー取引の峠は越した(2007/05/02)
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ここに来て、日本の個人投資家(家計部門)からの資本の流出が続いている。昨年末に30兆円という数字が躍っていたが、最近では45兆円という数字に書換えられている。ユーロが一方的に高値を更新している背景には日本からの資本流出が考えらるが、外国のファンドマネジャーの中には、「日本人は相場が閑散になったころにやってくる」と皮肉る向きもあり、そして、「ファンドによる円キャリー取引は峠をこした」とも付け加えている。日本人の資本の流出と円キャリー取引を手仕舞う円買いが打ち消した模様だ。
それにしても、日本からの資本流出をどのように理解すれば良いのであろうか。円の価値がまだまだ下がりデフォルト(債務不履行)になると予想しているのだろうか、運用者の「所詮、他人(ひと)の金」の発想か、はたまた、「赤信号、皆で渡れば怖くない」的発想か。それとも、私の考えがまったくの筋違いなものなのか。
最後に、欧州連合(EU)の非公式財務相会合後の記者会見でドイツの財務相が5月下旬にドイツ北東部ポツダムで開く主要8カ国(G8)財務相会合でヘッジファンドへの規制問題を協議すると表明している。また、これより先に、フランス中銀総裁は、ヘッジファンドについて、市場の効率化に貢献する一方で、市場操作と市場不正行為のリスクを高める可能性があるとの認識を示し、ヘッジファンド業界での世界的な行動規範の作成を推進していくだろうとの見方を示している。
- グローバル経済下の各国の戦略(2007/05/01)
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調査会社エマージング・ポートフォリオ・ファンド・リサーチによるとBRICsと呼ばれるブラジル、ロシア、インド、中国株の関連ファンドが数カ月前からすべて資金流出超となっている、と4/25 付けのロイターが伝えている。この話題の背景を探ってみた。
中国 ・・・外貨準備高が目を見張るほどの量になり、世界から為替のより一層の柔軟性を求められながらも、中国はエネルギーはロシア・中東産油国、希少金属はアフリカの産出国、農産物の輸出国から輸入国に変った食料安定供給のためにブラジル・南アフリカと、積極的に働きかけ表向きは友好を計りながら工業化の基盤を築くべき外交を行なっている。反面、中国の輸出攻勢に悩まされている各国から知的所有権に関するWTOへの提訴など今後の成行次第であるが、結果如何に関らず、ここしばらく、中国からの低コストで生産された商品が世界を席巻するであろうことに間違いない。
ブラジル・・・ 欧米のオイルメジャーと張り合える存在になったペトロブラス(石油会社)をはじめ、自国の石油産出量が自給自足を達成し余剰分を輸出に廻せるようになった今年から、また、バイオ燃料の原料としてのコーン生産の需要など、ブラジルはエネルギー大国としての地位を築き始めている。それを裏付けるべき、自動車の売上が極端な増加を記録していること。ただ、アメリカブッシュ大統領の南米各国訪問の裏に隠されているメルコスール(南米南部共同体)の分断を狙った思惑などの成行にも注意が必要であるが、好調が故に、反アメリカを掲げる加盟国を含むメルコスールを引っ張っていくだけの経済力が付いているものと思われる。
インド・・・ 資源に乏しく、IT産業を中心として発展し、低賃金の労働力を武器に世界から企業を誘致する動きが出ている。パキスタンとの核開発競争で一時期両国とも世界から孤立化していたが、アメリカ9.11事件をきっかけに孤立化は治まった。
ロシア・・・ 「外国で暮らしそこで子供を教育しロシア国内の土地をプランテーションよろしく経営している」と言われている、アメリカ資産家に比べロシア国民としての自覚に乏しいロシア資産家の保有するロシア系多国籍企業へ多額の資本がロシアから逃避されていること。それをロシア国内で循環させるための政策を打つであろうこと。これらの一連の政策が「ロシアに関する暗殺事件」を引き起こしている原因のようにも思われている。一時期、クレムリンに疑惑を掛けられていたこの事件の背後の複雑さにメディアは現在沈黙を守り通しているのが現状だ。
「大国としての地位の回復、国民としての誇り」を訴え、世論調査の結果によればロシア人の七割がたの国民の支持を得ているプーチン大統領は、国策エネルギー会社(ガスプロムなど)を戦略の一環と考え、エネルギー分野の「再国有化」の動きで一部のロシア企業と外国企業の密接に絡み合った利権に打撃を与えた。これらの政策が日本企業にも影響を与えている。
石油・ガス・鉱物資源で世界屈指といわれているロシアに於いて、中国へのエネルギー供給の道を開き、1998年のロシア財政危機の屈辱のためにもエネルギー価格の変動と為替には特に注視しながら自国の産業の技術力向上と発展を伸ばしていく政策を取ると思われる。また、ガス産出国のOPEC版とも言うべき組織をつくる動きもありその動向も注視と言うところか。
その反面、アメリカ主導のNATOミサイル防衛システムに反発しEUとロシアとの間のエネルギーの安定供給や貿易拡大を盛り込んだ新たな協定の交渉入りが見送られる見通しが濃厚であることなど、不安定材料も残っている。
以上のように、中国、ロシア、ブラジル、インドの存在が、経済の牽引役であったアメリカ無しで経済を運営できるだけの力を持ちつつあり、自国通貨の安定性を増すと同時に為替に対する優位性をも増している。その逆に、アメリカドルの弱さが浮き彫りになってきた格好だ。そして、ファンドマネージャーの背景には、新興国の通貨を持ち続けることへのリスクか、または、もっと良い投資先を見つけたかである。
そして、ドルの権威を守るためにアメリカが打つであろう次の戦略を臆測するのは考え過ぎであろうか。
バイオ燃料の原料としてのコーンの利用により農業補助金に一定の解決を見た最近のアメリカの高官の発言の中で、農業の自由貿易を目指すドーハ開発アジェンダ(ドーハランド)の締結を進める強い決意が見て取れる。農産物生産量が世界的に昨年比4%増えているとは言え、バイオ燃料に廻すコーン、13億人の人口を有する中国、11億人の人口を有するインドなどの食生活の変化などによる穀物消費量、などを考えると世界農産物の生産量の増加分などすぐにでも消費してしまいそうな勢いである。すでに、今春の降霜被害を受けたカリフォルニアのオレンジ農家、干魃被害のオーストラリアなど、食料農産物に旨味を感じたとしても不思議ではあるまい。今春、ブッシュ大統領の議会の一般教書演説で代替燃料の政策について言及しているようにこの過程もアメリカの戦略として定義付けられていることに間違いない。
- 任期二年をきったブッシュ大統領の最後の掛け(2007/04/26)
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強いドルはアメリカの国益、米財務長官は、世界的な通商・需要の不均衡縮小に向け、主要国は一段の措置を講じる必要があるとの見解を示した。われわれは米経済の力強さを支える、貿易や投資に対して開かれた米経済の維持に全力を尽くしている。
しかしながら、製造業の最後の塞でもある自動車そして飛行機産業も他国に追い抜かれつつあり、物造りを放棄してしまったアメリカ経済の衰退を世界がすでに見透かし、ブロック経済化への動きを強めているとともにドルへの信頼をも低下させている。アメリカドルの流出がこれを如実に現わしている。中国も貿易黒字で蓄えた外貨準備をアメリカ国債などで運用しておけばこれ程アメリカからのパッシングに合わなかったであろうが、国益のため有利な運用を目指し運用会社まで設立した。米国債購入が止まったブッシュ政権にとって都合の悪い状況に完全に変化してしまった。それを受けて、忠犬ハチ公の如き日本の財務相は日本の外貨準備の分散・多様化に慎重であるとコメントしている。ドル安になり外貨準備の実質低下を招いたときには財務相高官が責任を取るというのだろうか。
ここにきて中国の動きが活発である。米ウォールストリート・ジャーナル紙は、サウジアラビアの紅海沿岸に40億ドルを投じて中国がアルミニウム・コンビナートを建設しようとしている、と伝えた。かたや、サウジアラビアのアルワリード王子が中国の消費・エネルギーセクターへの投資についても検討していることを明らかにしている。互いの利益が合致したことによる進展である。
このような世界の経済状態における一方で不穏なニュースが流れている。
ブッシュ米大統領がイラクへの追加派兵の成果について9月までに評価できるとの見通しを示したこと。アメリカがイスラエルへ3000個にのぼる爆弾の輸出、NATOのミサイル防衛システムにおいてロシアへの釈明、クウェート政府がイランと米国の間で軍事衝突が起きる事態に備え特別チームを結成したことなど。
任期まであと二年をきったブッシュアメリカ大統領において、任期中の功績を残さねばならないことへの焦りがある。9.11世界貿易センター崩壊、アフガニスタン侵攻、CIAの情報操作によるイラク戦争、その後の結果をみてもこれといった成果が見えてこない。その焦りとも言うべきものがブッシュにはあるはずだ。
ブッシュ陣営を支えている、すでに力を失いつつあるアメリカ・イギリスの石油メジャー、政策基盤であるネオコン、そのどちらにとっても中東の石油産出国の一角を意のままにしておくことが戦略的に必要なのである。中国とサウジアラビアを結ぶ陸路を抑えることができることも利点であろう。しかしながら、イラクに於けるシーア派・スンニー派・クルド民族など、トルコ領内のクルド族との兼ね合いもあり平穏に治まるとみるほうが不自然である。
任期残り僅かになったブッシュ政権に残されている時間はそれほど多くなく今年中にはある程度の結果は出てくるものと思われる。
- 中国経済の舵取り(2007/04/21)
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中国の今年の第1・四半期の国内総生産(GDP)が実質で前年同期比11.1%増加したと発表している。これを受けて中国政府は金融引き締め政策などの金融政策を一段と強化すると思われるが、これといった投資投機先の見当たらない、世界中のあり余った金が中国へ中国へと流れ込む傾向は変らないであろう。
今後の中国の経済をうらなう上で、過去から学んでみることにする。
第一次・第二次オイルショック(1970-1980年)を境に、ブラジルが100%を超すインフレになり回復まで10年近く費やしたことを振り返ってみると、第四次中東戦争をきっかけに始まった第一次オイルショック、イラン革命で始まった第二次オイルショックで石油の値段が上がり、大規模な工業化で未来の超大国を目指し超大型プロジェクト目白押しのブラジルではあったが、それが輸出収入の六割以上が石油代に変るという禍を招き、先進国のオイルショックからの立ち直り期間に比べ、先進国との輸出工業力との差などもあり立ち直りに長い時間を有したというのが一般的な考え方である。
このようにブラジルの過去の経済状態を考えると、現在の中国とかなり似通っていることが理解できる。また、ブラジルで国際問題に詳しい人の中には、オイルショックはブラジルの高度発展を恐れたアメリカの陰謀だと言う人もいたように、それも現在の中国と非常に似通っているのが不思議なくらいである。が、私的には非常に理解しづらいところであるが中国はこのオイルの値上がりを上手く乗り切っている。
参照:World Reader「ブラジルの思いがけない落し穴」
話しを中国に戻す。
今年の中国の全人代(全国人民代表大会)での各国記者団との質問に答えた内容をまとめてみると、GDPの上昇に対しては一人当りのGDPで見ると世界的にはまだまだ低い位置にありGDPを上げる必要性を強調している。収入格差の拡大傾向については農民・農村・農業への支援を強化、低所得層の生産・生活問題については都市部の最低生活保障制度を制定し最低賃金制度を実施。労働に応じた分配を主体としさまざまな分配方式が併存する分配制度の整備。低所得層の収入を引き上げ中間層を拡大し高所得層を調整、それらが主な経済政策であるが、それらを実現するには 順調かつ急速な発展を実現し国民経済の総量を大きくすることが大事であるというように、順調かつ急速な発展を第一目標に据えていると想定するのが妥当である。
また、昨今中国科学技術界において海外で中国脅威論が叫ばれる中、中国科学技術界には楽観的な雰囲気が起きているとしてその引き締めをしている。
そして現在、中国の輸出攻勢にあっている世界の各国からWTOへの提訴、為替レートへの非難、市場開放の要求など中国経済を取り巻く環境は以前に比べてかなり厳しいものになっているが、これといった投資投機先の見当たらない世界中のあり余った金が中国へ中国へと流れ込む傾向は変わる気配がなく、また、その資金は中国の「順調かつ急速な発展を実現し国民経済の総量を大きくすること」には不可欠なものであり、世界からの非難を少しずつ交わしながらも外国からの資金が逃げないように、そして、どこの国にも存在する腐敗分子の摘発をしながら先進国への仲間入りを果たすべき政策を力強く推進していくように思われる。
以上、述べてきたようにいろいろな問題を乗り越えてきた中国ではあるが、このような中国の出方をこころよく思っていないのがアメリカのネオコンと思われる。そのネオコンもブッシュ陣営と伴に力を失いつつあり、また、イスラム教国の盟主的な存在であるサウジアラビアの中国への消費・エネルギーセクターへの投資など、中国にとって追い風的なニュースが多く出始めているようにも思われる。
- アメリカの目指す自由貿易(2007/04/18)
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G7が終り、ポールソン米財務長官は貿易や投資に対し開かれた米経済の維持に全力を尽くし、成長を鈍化させる恐れのある保護貿易主義的圧力に対しては断固戦う意向を強調している。
ここでアメリカの目指す自由貿易とは何かを改めてその実態を交えながら調べてみた。
分担金の支払い比率に応じて与えられている投票権のためアメリカが実質支配権を握るIMFや世界銀行が、経済のグローバル化金融の自由化によって貧困削減を主張しているが、1972年にノーベル経済学賞を受賞したトービンによって提唱されたトービン税を、あらゆる為替市場での取引に低利率0.1%以下の課税を掛けることによって得られる税収により、世界の極貧を解消するために毎年必要とされるに充分すぎるほどの金額が得られることを先立って述べておく。
まずは金融自由化による弊害の件に付いて、アジア通貨危機に源を発した、健全な経済で固定相場制を引いていたアルゼンチンが超債務国と化した事件などをみると、その原因が「経済のグローバル化金融の自由化」であることに一因があると考えられ、貧困削減という大義名分に疑問を感じるどころかアルゼンチンの人口3700万人のうち1400万人が貧困ライン以下の生活、その間購買力が50%近く下落するなどの事実を振り返ると「経済のグローバル化金融の自由化」とは貧困を生じさせるものとさえ感じさせる。
ここで、タイを震源地としたアジア通貨危機がアルゼンチンにまで飛び火したことについて概略してみる。
当時、先進諸国における低金利に対しタイの金利は高水準であったことから短期外貨資金の流入により、すなわち利子だけを目的にしたバーツ買いが増えバブルの発生を招来しその崩壊とともに金融機関の不良債権問題が顕在化し、金融機関の破たんも表面化し市場の不信感が金融セクターへの懸念を増大させ投機資金によるバーツ売り圧力に繋がった。そして、為替の過大評価されていた国々、輸出主導型の経済構造の国々、短期対外民間債務の積み上がった国々に、その影響はまたたくまに伝染してしまった。そして、地球を一回りし南米でペック制(中央銀行が保有している外貨を売買いし為替を安定させる方法)を取っていたブラジルが自国通貨レアルの切り下げを行なったため、固定相場制をひいていたアルゼンチンがもろにその影響を受け輸出競争力を失い国際収支を悪化させ超債務国と化したのである。これらの流れを考えると、まさしく、金融の自由化でタックスヘイブン(租税回避地)を利用し、活躍の場を巨大にした投機筋による原因がアジア通貨危機の根本に位置しているようにも考えられるのである。
参照先:財務相、外国為替等審議会.....アジア通貨危機
参照先:ディプロ日本語・電子版.....金融市場を非武装化せよ
このように考えていくと、貧困削減という大義名分の下、「経済のグローバル化、金融の自由化」を訴えるアメリカの真の狙いが他にあるようにも思われるのである。
日本に関していえば、金融の自由化で含み資産の豊富な会社の支配権を握るべき持株比率を上げ、2005年度の東証調べで外国人の株式保有比率は約27%にのぼっている。配当を上げるように要求する株主重視、効率経営を訴え、最初の犠牲者がリストラであり最近は労働分配率に現われているように低賃金へ据え置かれた労働者であり、非正規職員としての地位の人間でもある。かように日本的経営は姿を変え、日本の技術力を支えた理系の進学率の低下などは日本の競争力を一層削ぐものになるであろう。そして、株主は丸々と太り、実質、アメリカの資本が日本を管理し始めているのである。最近の消費売上高、消費者物価などの指数がそれ等を裏付けている。「経済のグローバル化金融の自由化」で国民にプラスになったものはあるのであろうか。すでに、それに気付いている南米諸国が反アメリカを強めているのである。
そして、昨今注視されている円キャリー取引による逆戻しが円高を招き実態経済とはかけ離れた為替相場になる恐れ、また、円キャリー取引で集まった投資資金が金利の高い新興国に短期投資されていることなどの影響を危惧する向きもある。これらの状態はアジア通貨危機時の金の流れに似ているが、その時と根本的に異っているのはアメリカドルの力が弱まっていることであろうか。しかし、短期の投資資金が為替の振幅を激しくさせるなどその弊害を危惧する向きもあり、これらの取引が各国に多大な影響を与え、世界銀行、IMFなど超国家的存在が他国を呑み込んでいく姿が見えてくる。
日本の為替問題金利問題で、円安を歓迎し金利の低さを喜ぶ、報道機関市場関係者が主であるが、アメリカから圧力が掛からないのは他ならぬアメリカのこの投資資金の存在の為であり日本の経済を考慮しているわけではない。
今後の世界経済の方向を考える上で、ありとあらゆる先物(石油先物、穀物先物、鉱物資源...etc)にファンドが投資していて、現物には投資できないファンドの投資資金が生活する上での商品先物すべてに絡んでいることを忘れてはならない。先物の多いものでは半分近くを少ないものでも20%以上ファンドが占有しているのである。
- 歴史上に残る為替変動(2007/04/15)
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ユーロが対円で161円を上回り過去最高値を更新している。その原因は、日本の投資信託の海外株式型や債券型並びに投資ファンドなど、2005年度に集まった金額が約8兆円、2006年度が約13兆円だ。そして、今年の二月のみだけで2兆円近くが集まり、昨年の調査で総額30兆円以上の金額が海外に投資されているとのことで、その勢いによるところが大きい。
一方、株式市場で世界のトヨタ自動車が年初来の安値を更新している、日本の輸出企業にも黄信号が灯っているのだろうか。海外に資産を移す個人が正解か、それとも、ハズレくじを引くのか、見方が分かれるところだが、このような見方もあるのでご参考までに。
それでは、今回開かれたG7声明での為替に付いての報道発表を振り返ってみよう。もちろん、会議が開かれる前に市場関係者から「G7での発言が過度に市場が反応する恐れがある」などのコメントを聞かされていたのでは言いたいことの半分も言える訳もなく、そのような状態の中で気に掛かる点を精査してみた。
「前回のG7のときほど円安が大きな争点にならなかったのか」との質問に対して明確な回答を避け、数日後にワシントンで7カ国財務相代理とヘッジファンドの代表が会合を行う予定があるにも関らず、円が上昇すれば円キャリー取引に急激な圧力がかかる恐れがあると、ヘッジファンド業界の代表との意見交換前にポールソン米財務長官は警告を発している。すでにアメリカはヘッジファンドの円キャリー取引にまつわるすべてを掴んでいての警告と受け止められる。
このような世界経済のなかでアメリカのヘッジファンドが苦境に立たされるようなことがあれば、「ドルで世界の基軸通貨の地位を築き世界経済を一手に握ろうとする」アメリカの思惑は完全に崩れ落ちるのである。
それでなくとも、現在、中東産油国を中心とする通貨統合気運、イランはすでに石油の取引をドル以外で決算すると表明している、中国の外貨準備高を有利に運用するための投資会社設立、中南米のアメリカ離れなど、アメリカの思惑とはまったく反対の方向へ世界が動いているのである。
このように考えていくと、前回報告した為替の歴史上に新たに付け加える出来事が起こっても何ら不思議ではなく思える。
そして、円安を貿易黒字と喜んでいる日本の報道ニュースなど多く見かけるが、私見ではあるが、この時期円安になることの弊害のほうが中期的に見て日本にとって不利になることを危惧している。
- 世界経済の勢力関係(2007/04/13)
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右図は、アメリカの1995年から2006年までの輸出品の金額を、Fact About the USAからデータを取得し、年次毎にグラフにしたものである。特に落ち込みの激しいのは、自動車関連と消費財関連であり、どちらも日本中国そして東南アジアの輸入品におされている型だ。アメリカの均衡ある貿易発展は望めないのであろうか。
30兆円以上にのぼる日本の為替操作により円安にし小泉政権は日本の輸出産業を擁護したが、この件についてアメリカからは苦情が出てこない。イラクへの30兆円の資金協力をしたことへのご褒美なのかもしれないが、日本経済の舵取りがアメリカ追従型のみと見るべきほうが妥当であろう。しかしながら、世界経済の現実は、アラブ湾岸石油産出国の通貨圏の構想、中国の投資会社設立と中国企業の国際化戦略、南米諸国のアメリカ離れドル離れが拡がってきているというのが大方の見方である。
ここで為替の歴史を振り返えると、第二次世界大戦の反省から各国通貨の交換比率をさだめたブレトン・ウッズ体制(1ドル360円)は、1971年のニクソン・ショック(ドルと金の交換を停止・1ドル308円)により崩壊し、1976年1月に開催されたIMF暫定委員会で変動相場制(キングストン体制)が承認され移行されることになる。その後、レーガン大統領の経済政策(レーガノミックス)で、減税と歳出拡大をセットにした大型の財政政策が発動されることにより、ドル高の持続と景気回復が進むなか輸出減退と輸入増大をもたらし経常赤字を拡大させていく。そのような状態が続くなか、1985年プラザ合意により為替相場は一気にドル安に進み、(親)ブッシュ大統領が日本の貿易黒字に対する強行路線(日本へアメリカ自動車財界人を伴っての日本パッシングなど)はそれほど古い話しではない。1990年代初めまでアメリカは輸出増大により経常収支が修正される一方で、国内需要が低迷し財政赤字は記録的に悪化していった。その後、クリントン政権に移り、金融とITに経済の中心を移し冷戦下での資源が民需に回ったこと知的財産権など、この時代アメリカの経済は良好に推移し財政の立て直しに成功している。(子)ブッシュ大統領に移り、冷戦の軍事支出から9.11(世界貿易センター倒壊)事件をきっかけに世界エネルギー戦略にまつわる中東への軍事支出へと変化しその額の増大をもたらしている。
このアメリカの状況を変えるには、グラフからも窺えるように金融と知的財産権に起因する商品を輸出する方法しか考えられず、今のアメリカの貿易不均衡是正問題の主張と一致する。
一方、中国はロシア、ASEAN、インド、アフリカなどの新興市場、資源国へと海外戦略を取り始めその姿を徐々に現わし始めている。また、サウジアラビアが中国の消費・エネルギーセクターへの投資について検討しているニュースなど、まさしく、アジアと西欧をむすぶシルクロードが21世紀にオイルロードと化すことも考えられる。中国、インド、中東産油国の位置関係をみると、エジプト文明・メソポタミア文明・インダス文明・中国文明の古代四大文明の地域に新しい経済体制が移ろうとしているようにも見える。「歴史は繰り返す」である。
最後に、経済の鬩ぎ合い(せめぎあい)がどちらに有利に働くかであるが、独断と偏見で考えるならば、アメリカの貿易を拡大させるには金融と知的財産権、それも、知的所有権年数の延長などの法案をみていると、アメリカの選択肢はそれほど残されていないように思える。一方、BRICs諸国並びに新興国にはあらゆる面において可能性が残されていること。それに、資源ナショナリズムによりアメリカ離れをおこし以前のようなドル一辺倒という状況にはないことなどがあげられる。しかし、バブルとまで、また、金余りとまでいわれている世界経済に死角はないのか。この問題も今年中にハッキリすると思われる。
ただ、残念なことは日本の政府がいまだ「靖国神社・慰安婦問題」など戦後処理で尾を引いていることである。その間、他国はしっかりとした国家戦略をたてながら進んでいるのに対し、日本の国家戦略のそれはまだ見えてこない。
- 為替相場に危険な予兆(2007/04/09)
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ここ四・五日、為替相場にまつわるニュースが非常に多い。ニュースを拾ってみよう。要注意と言うところではないだろうか
3日.....日銀前理事(国際担当)はG7で円が狙い打ちされる事態は考えにくく円安が主要議題になる可能性を否定。しかし、前回のG7では議題になる可能性はないという表現から主要議題という言葉にトーンが下がっている。
4日.....
国際通貨基金(IFM)は、世界経済の不均衡是正に為替相場の変動が有効との認識を示す。「米ドルの下落は10%未満でも米貿易赤字をGDP比で1%減らすことができる 」と、米ドルの下落を容認するような発言。
5日.....
タイの財務相はASEAN財務相会合で世界市場の不安定さは10年前のアジア金融危機発生時と似ていると指摘
9日.....
市場関係者はG7の会合もドル売り材料として敏感に反応しかねない。その後のロシアからの報道によると、プーチン大統領が閣僚らに対して、ルーブル相場の上昇に引き続き注意を払っていく意向を示したと伝えている。
- バカを見る日本経済の仕組(2007/04/09)
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時事通信が伝えるところによると、天然ガス生産国の非公式な集まり「ガス輸出国フォーラム」(GECF)の閣僚級会合が9日、カタールの首都ドーハで始まっている、石油輸出国機構(OPEC)のような組織創設に関する構想が論議される可能性がある、という。これは資源ナショナリズムの台頭であり、すでに、アメリカ・イギリスの石油メジャーは力を失いつつあり、そのためアメリカはバイオエネルギーに活路を求めようと大統領の一般教書でもバイオエネルギーの利用を戦略的目的に位置づけている。
今後エネルギーの動向には目が離せれなくなった。石油の値段が上がればバイオ燃料の原料であるコーンが値上がりし、日本のように食料のほとんどを輸入に頼っている国にとっては食料危機まで考えねばならなくなるかもしれない。
それとは別に、ロイターが伝えるところによると、英フィナンシャル・タイムズ紙は、日本経済および日銀の金融政策に関する社説を掲載し過度な利上げをしてはならないと警告している。イギリスに籍をおくファンドに取っては日本の金利引き上げは自国籍ファンドの利を減少させると、イギリスの真意を疑いたくなる。五年間に及ぶゼロ金利で日本国民が喜んだ人は誰もいないのではなかろうか。輸出で利益を上げられるような会社は市場からいくらでも調達できるのである。
社会保証費の負担が上がり、一般公務員(=楽な商売として職を選んだ者)の給料まで下がり、その上、人員削減となれば将来に対する不安の方が先に立ち、消費など増えるわけがなかろう。よっぽど預貯金の利子が少しでも増えた方がまだマシだ。
議員退職金減額の条例で減額されないうちに議員を途中で止めていった人間のような政治家が、これも、一種の楽な商売として職業選びでをしていただけの人間である。天下り規制法案も骨抜きになる可能性もあり、税金をもっとも無駄使いした高級官僚もその類であろう。そして、国会議員のほとんどは、この楽な商売として職業選びでをしていただけの人間ではなかろうか。そのような人間に食料危機だのエネルギー危機だのと言っても所詮無理と言うものである。
まともに生きている人間がバカをみる社会が今の日本である。
- グローバル経済と日本の戦略(2007/04/06)
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グローバル経済の下では、国際競争力のあるものしか、言い換えれば、価格競争に勝てるまたは知的所有権のある商品しか生き残れない。日本に於いては電子電気にまつわる映像及び音声の記録用又は再生用の機器、光学機器、写真用機器、映画用機器、測定機器、検査機器、精密機器、医療用機器、輸送機器関連品などであろうか。また、知的所有権のある商品のなかにはマンガ、音楽、アニメ映像などといったものが入ると思われる。
このように並べていくと、マンガアニメを日本の優れた商品として訴えている国会議員を思い出す。また、農林水産省が日本食認証制度(外国の日本食店を認証するため2億5千万円の予算を組んでいる)なるものに力をいれている訳が理解できよう。農産物に関して国際競争力がまったくないための日本食材を輸出するための苦肉の策だ。
一方、労働賃金の安さに目をつけ日系ブラジル人などを含む外国人労働者を受け入れいま問題になっている請負の存在が大企業の利益をまた国際競争力を押し上げていることも理解できる。
このように、日本経済は僅かながらのGDPの上昇と、先月分のCIP(消費者物価指数)が僅かながら減少しているように、輸出好調のニュースがありながらこの状態が続くものと考えられる。今後アメリカの景気が下ぶれした場合どのような数字になるのか不安になるのは国民だれしも同じ思いのように思われる。
このような状態の中で、国際競争力という一点で日本の問題点をみてみれば、労働賃金の高さ、一人当りの生産する農地面積の狭さであろう。
農業に関しては毎年多額の予算を注ぎ込みながらまったく改善されてこなかった農業事情、食料の自給率は国家戦略に匹敵する問題であるのだが。そして、研究生として入国してきた外国人の悪どい扱い方をする日本の企業などのニュースを見聞きすると日本には外国人労働者を受け入れるだけの文化的社会的な下地が確立されていないように思われる。
そして最大の問題点は今まで何も疑うこと無く毎日コツコツと仕事に従事していた人間が、ある日、このグローバル経済に巻き込まれ生活まで脅かされ始めていることである。これらの人々がどのような型であろうと格差を感じ始めているのである。
この間、政府は前回にも報告したが約30兆円近くにのぼる為替介入で円安にし輸出産業を擁護しただけで、経済グローバル化による被害者には手を差し延べること無く、逆に、社会保証、医療保障などの対策費用を減額した。
この難しい状況に於いてこそ本領を発揮しなければならない政府と行政は、ただ、見て見ぬ振りを繰り返し、マクロ経済の問題だけを論じ国民の数十パーセントにも及ぶ人間が困窮している事実を直視していないことは残念である。
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