|
タイトル
- 負の連鎖に悩むアメリカと闇の世界到来(2008/06/25)
-
昨夏から続く金融市場の混乱が落ち着きを見せたかのような楽観ムードの背景に、金融機関が不良債権処理の山を越えたという意見が圧倒的だ。しかし、アメリカ住宅価格を始め、事業向け不動産ローン、自動車など各種ローン返済などの焦げ付き拡大などにより新たな不良債権の増加などが銀行の体力を奪い始めているという経済アナリスト達の声がある。
このような経済情勢のなか、エネルギー価格高騰によるアメリカ国内自動車販売の一段の低迷のなか生産縮小計画にまで発展したアメリカ三大自動車メーカー(ゼネラル・モーターズ・フォード・モーター・クライスラー)の格付けをスタンダード&プアーズ(S&P)が引き下げる可能性を明らかにした。また、日本でもおなじみになった運輸関連のアメリカFedEx(フェデックス)が 燃料高やアメリカ景気低迷による評価損計上により赤字に転落している。その他、航空大手ユナイテッド航空の親会社UALは 全パイロットの約15%に相当する950人のレイオフを実施。シティバンクも投資銀行部門の10%に相当する6500人を削減すると新たに報じられている。これらは今まで勝ち組の業種であり削減内容をみると高給取りを対象にした削減方針であり、各種ローン返済などの焦げ付き拡大の恐れを一層強めるのではなかろうか。今年いっぱい下がり続けるであろうという予想もあるアメリカ住宅価格と事業向け不動産ローンなども合わせ、新たな銀行の不良債権の増加となって現れ体力を蝕み始めるかのようだ。
ダイナミックなアメリカ経済を誇っていたアメリカ政府高官、ダイナミックがゆえの弱さを呈示し始めているようでもあるが景気減速による金利低下政策とインフレ抑制のための金利引き上げとの判断の難しさに難儀しているなか、インフレ抑制のための政策に重点を置きそうな雰囲気になってきた。また、その他のイギリス・EUそして日本と先進国の経済指標が完全に景気減速の数値を表し始め一寸先は闇の世界になってきたようだ。
闇の世界はなんでもありの状態だ。もっとも注意しなければならないのは今中国に流れ込んでいるホットマネーであろう。闇の世界が続けば、日本を始め日本のお隣り韓国、並びにアメリカ経済にぶら下がってきた東南アジア各国の不安定要因にもなり始めてくることは間違いなく、原油・穀物に向かう資金と現状中国に流れ込んでいるホットマネーの流れには十分注意を払わなければならない。1997年タイを中心に始まったアジア各国の急激な通貨下落現象を起こしたアジア通貨危機、ホットマネーが経済力規模の小さな国を根こそぎ可笑しくさせることも容易であることを認識すべきである。弱味に付け込み通貨の信用売りを浴びせ一国の経済を無にすることも容易であることを忘れてはならない。たかだかヘッジファンドといえそれだけの力を持っている。すでに中国はウェブサイトでホットマネーの注意を喚起しているからにはそれなりに対策は練られているものと思われるが、一国の経済をも可笑しくさせることのできる投機マネーの存在こそ論議すべきもののようにも思う。
右側の注目repot&newsにもリンクを張っておいたがチャイナネットのリンク先を以下に示しておく。
中国に流れ込むホットマネー
- 今後の世界経済の動き、先を見据えれば資産家への道か?(2008/06/23)
-
バブルが弾けた日本において、国民の大多数の反対を押し切りバブルで多くの不良債権を抱えた銀行を公的資金・低金利・税制面で救済したものの、一向に日本経済は活況を施さずデフレスパイラルの様相からなかなか抜け出せられない状況にあった。そのような閉塞した日本経済の状態のなか誕生したのが小泉内閣である。「民にできることは民に」を訴え、多くの国民はその言葉に度重なる官僚組織の不始末と税金の有効利用がなされ高齢者のみならず多くの国民は将来に明るさを見出したのではなかろうか、と判断できる。まさしく「官僚に厳しく、国民に優しく」である。が、昨今の国会で追求されている内容のごとき公務員の悪業は減らず、その上、後期高齢者医療など人種差別さながらの法案をつくり、国民の想像とはまるで異なる「官僚に優しく、国民に厳しい」改革と、昨今の食料品・エネルギー高騰で国民の怒りは日増しに増してきている。
次期衆議院選挙で自民党不利の形勢を受け、小泉は自らの改革を指示していた日本経団連に支持要請の願いを試みているが、経団連そのものはすでに民主党・岡田克也を囲む会発足に動き、これを機に、鳩山由紀夫・菅直人へと接近する様相である。次期衆議院選挙・民主党有利の判断であろう。
アメリカの押し進めたグローバル経済のお恵にありついた「勝ち組」もアメリカ金融機関の衰えとともに合理化・縮小でその待遇を追われオール負け組の様相に変化してきている。イギリスのブレアーの後を継いだブラウン、小泉の後を継いだ安部・福田、互いに共通していることは支持率低下が収まらないことだ。ブレアー・小泉の後片付けで精一杯というところである。それでも当の本人たちの在籍期間中は景気の良い話が聞こえていた。それと現在の不安定な世の中を天秤に掛ければいままでの政策の判断が評価できようというものだ。偽装政策という言葉が流行るのかもしれない。
まだまだ尾を引きそうな世界経済の乱れ、どのように落ち着きを見せるのであろうか、また、どのような世界が待ち受けているのであろうか、今までのような継ぎはぎだらけの政策だけでは治まらないことだけは断定できそうだ。
- アメリカの推し進めるグローバリゼーションの罠(2008/06/16)
-
G8でポールソン長官が、経済のグローバル化の必要性を強調した。世界経済がアメリカの不始末で低迷しかけている中、「各国の動きが内向き(保護貿易など)へシフトすれば景気の低迷につながり多くの雇用を犠牲にし海外投資を阻止するとともに成長を抑制し多くの物やサービスのコストを増大させる」と。アメリカの押し進めたグローバル化により現在の世界経済が低迷していることも顧みず、経済のブロック化・保護貿易の動きを批判する姿勢はご立派である。
未来永劫に渡り世界の経済が成長し続けれるものかと言う疑問と、経済成長だけが世界人類を裕福にさせるという一辺倒の考えにも疑問符を打たなければならない。各企業は生き残りをかけ新製品を開発し留まることを知らず常に競争である。それにまつわり、限界のある地球の資源を浪費させることにも結び付き、資源獲得を目指し大量虐殺まで起こったという事件も報道されている。
そのような中、各国から金融のあり方に対し何らかの規制を求める声が出ているが、前述したようにアメリカ・ポールソンはG8でその批判を上手に交わした。アメリカの推し進めるグローバリゼーションの世界を想像すると、最終的には世界でその製品を取り扱う会社が二・三社に集約され、そして、その株主もごく小数の存在になるものと考えられる。そして、あらゆる業界の株主が世界のほんの一部のグループに集約されることになり、世界を意のままに操れることも可能になる。
正しく、新たなカースト制度(支配者階級、執行者階級、奴隷階級、不可触民)の誕生である。そして、あまりにも無味乾燥な世界が待ち受けているようにも思えるが如何なものだろうか。
- アメリカ景気への楽観論はいつまで持続できるか(2008/06/09)
-
外国からの投資に対するブッシュ政権のオープンな姿勢を強調しに中東各国を歴訪していたポールソン財務長官への共同記者会見でサウジアラビアのアッサーフ財務相は、ペッグ制を維持する考えを示したがこの席上でアメリカ金融機関へのサウジアラビアの投資についての話は伝わってこない。外国からの投資に対するオープンな姿勢を強調する成果が実ったのかは定かで無い。
アメリカの今年3月の緊急資金供給策以来、市場にはドルがじゃぶじゃぶに溢れ、それ以来先物価格が急激な上昇を示し5月ひと月足らずで原油先物が10ドル以上あげる事態になっている。これを機に食糧高騰と原油高騰が各国の経済に打撃を与え始め各国で起き上がっている激しい行動、その勢いは収まることを知らず。昨今の世界の流れを見ると、ブッシュ政権並びにアメリカが押し進めたグローバルな経済が低開発国の経済に本当に役に立ったのかと疑問に思うところがある。低開発国からの資金流出が起きればアフリカ・ジンバブエ並の超インフレに襲われ財政破綻の憂き目にもあう危惧さえありそうな雰囲気になってきた。時を同じくして、日本でアフリカ支援会議が執り行われたがこれもアメリカからの要請ではなかったのだろうかと附と考えてしまう。
世界的なインフレをもたらしている金融の流れに規制が必要だという意見も出始めているが、アメリカよりも急激な住宅・土地の値上がりをみせたイギリスでは、ローン返済の借り手で3カ月滞っているの者の数が3割急増また 賃貸用不動産の購入資金に関しては延滞が40%以上増えているという数字が現れ急激な経済失速の状態だ。EU内部でも体力のない金融機関がまずは淘汰されるだろうということがなかば公然と言われ始め、インフレ抑制と景気後退への危惧とで意見がまとまらなくなりかけ、不法移民はもとより正当な移民への暴力が行われEU内部もまとまりを欠く始末になりかけてきている。
日本を始めアジアの不動産市場の価格下落が示すようにサブプライム危機の影響がアジア地域にも出始め、日本の金融機関のサブプライム関連損失が1-3が月の決算予想よりも40%以上増える内容になっていることもこれらを裏付けている。また、過去2年間、業績の回復は近いとして投資家・債権者・従業員にリストラへの理解を求めてきたアメリカ3大自動車メーカーが原油価格の急騰で苦境に立たされているニュースも飛び込んできている。
一方、アメリカ景気への楽観論が消えずアメリカ・日本の株式市場は値を上げているが、各国の要人・著名人の発言を拾ってみると、ASEAN+3での会合で世界経済は困難な時期に直面しているとの認識を示し、食品価格の高騰により貧困層に非常に大きな打撃を与えアジア・太平洋地域だけで数十億の人々に多大な影響が及んでいるとコメントを出し、著名投資家ウォーレン・バフェット氏は銀行が抱える巨額の損失と評価損の計上は決して終わっていないとし一段の痛みを経験することは間違いないと発言。欧州中央銀行のトリシェ総裁は、調整はまだ終わっていない、金融市場の混乱が最悪期を過ぎたとは思わないとしアメリカの金融危機、サブプライム危機の影響は続くと思う、持続的で非常に著しい市場の調整が続くと指摘。欧州実体経済への影響を測るには少なくとも数四半期かかるとの認識を示している。
世界にバラまいた「リスクを広く浅く」の証券化商品の影響は上げればきりがないほどの悪害をもたらしている。各国、各地域の経済要人は効果的に対処するとの考えを示しているが、詳細への言及を避け避けるというよりもこれと言った処方が無いのであろう。
アメリカ最大の年金基金カリフォルニア州職員退職年金基金の、投資失敗の表面化・投資方針の見直し・それに伴う内部対立で経営幹部が相次いで辞任を表明。そして、FRBのミシュキン理事が8月末付で辞任すると発表。現在の欠員2名をあわせれば7人の定員で3名が欠員という異常事態に陥ることになり、日銀総裁選びでもめていた日本の論客は、世界経済の軸でもあるFRBの異常事態には触れず仕舞いの有様だ。現在の事態を正確に把握出来ている人間には、「触らぬ神に祟り無し」・「逃げるが勝ち」の心境なのだろう。
以上述べたように、これからが本幕だ。
- アメリカが銀行救済に動き始める(2008/06/02)
-
「金融市場の混乱は始まりでは無く、終わりに近づいた」、強いドルはアメリカの国益に叶う一辺倒のアメリカ・ポールソン財務長官の発言である。どういう事なのだろうかと摩訶不思議に思っていたら、今週、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦を歴訪し外国投資に対するブッシュ政権のオープンな姿勢を強調しに行くらしい。
特に食料品の激しい値上がりを伴いインフレを呈している中国、原油・穀物並びに日本・EUからの輸入品の値上がり抑制のため元高加速を容認したものの、これが投機資金の流入を一層増やし流動性資金の膨張により経済政策の舵取りも困難を余儀なくされている。一方の新興国インドは、このところ自国通貨ルピーが下落傾向を示し逆に投機資金の流出にあっている模様である。
アメリカ・イギリス・スペイン・イタリアなど、バブルによって踊らされた国々の今は土地・住宅の値段が下がり、ローンの返済はもとよりそれにより消費を鈍らせそれが企業収益を圧迫させ失業率の増大と逆スパイラルの様相で、その上、食料品の高騰が追い撃ちをかけている。
ヘッジファンドを主にした投資家などの投機資金が、世界的インフレを警戒する様相になり始め「債券売りの株高」になって表れ始めてきている。ここしばらく、現実に資産ははなくとも資産の運用をどのようにするか、を考えれば世界経済の動きも見えてくるのではなかろうか。
これらが今も底を見せていないバブルの後遺症だが、ポールソン財務長官が原油高騰で潤沢になった外貨をもつ産油国を訪れ何を相談してくるのか分らぬが、バブル先進国日本が税金を投入し銀行を救済し国の体裁を保てたとしても、国民の生活レベルは下がる一方であり、「仏造って魂入れず」、その言葉通りの状態が日本経済を低迷させている唯一の原因とも思われる故、銀行のみを建て直しても世界に横たわる難問は解決されないように思えるのだが。
アフリカ支援会議でアフリカの経済成長の勢いを止めるな! と説明らしきものを訴えているが、資源枯渇を心配する各国の思惑による経済成長であり、現実、資源獲得を目指す民族間の衝突を引き起こし、貧困からの脱出と暴力の連鎖とを比較すれば首を傾げたくなるところもある。その上、アフリカだけに関わらず、最低限のレベルでようやく生活していた層の人間がこのところの食糧高騰で新しい貧困層の仲間入を果たしているのが現実だ。アメリカの目指した「グローバルな社会は貧困層を救う」の釈明をアメリカは世界に向けてすべきではなかろうか。
- 世界経済が徐々に動き始た(2008/05/28)
-
原油・穀物の高騰の原因が、流動性のひっ迫を和らげるための大量の資金供給によるヘッジファンドなどの投機資金だという、世界各国からの批判が湧き起こっているなか、インドネシア・フィリピン・韓国・台湾の中央銀行が自国通貨支援のためアメリカドル売りを実施したと為替トレダーが伝えている。今後、日本もどのように動くのかここにきて小泉改革も完全に色褪せ、政権政党、自民党と公明党は次期衆議院選挙のためのは護身政党と化しどのような政策を打ち出すのか興味が引かれるところでもある。
これら各国中央銀行はインフレによる金利上昇と輸出を損なう可能性とを天秤にかけての政策だろうが、それにしてもドルの今後を占う上での判断資料に十分値する動きのようにも思える。アメリカにとって銀行の流動性が細るなか資金供給は欠かせず、かと言ってこのところのインフレ指数も気掛かりなところでもあり、相反する政策をどのように施行していくつもりなのか、FRBの保有している短期国債も底が見えてきているようでもあり、「強いドルは国益にかなう」の一点張りのアメリカ・ポールソン財務長官も掛け声だけに終わりそうな雰囲気にもなりかけてきた。
このような苦しい状況のなかアメリカは決して指をくわえては見ていない。今後のアメリカの些細な動きにも十分注意しなければならないだろうが、世界経済の大きな山が動き始めるのにそれほど時間があるわけでも無さそうである。
- 無責任な経済関係閣僚(2008/05/26)
-
1971年のブレトン・ウッズ体制(1ドル360円)がニクソン・ショックで崩れ、1985年のプラザ合意により為替相場の大幅な変動によりドルの下落が一機に進んだ。それ以降、世界の基軸通貨ドルが他通貨にくらべ一方的に価値を下げ続けてきている。この二回の変動によって円は大きく価値を高めたが、今回の金融不安問題による円の力は以前のものとは様相を異にしている。資源大国の潤沢な資金を始めとして金持ち国が多く現れ始めている、それらの国々は反アメリカすなわちパレスチナをはじめイラク・イランに関するアメリカの姿勢に不満を感じている中東の産油国でもあり、大国の復活を期すロシア・南米の石油産出国ベネズエラ、なにか反アメリカの国々が力を付け始めてきていることも皮肉といえば皮肉である。日本・韓国などアメリカに追従している国々の運命は?
ポールソン財務長官の昨年始めから言い続けてきた「強いドルは国益にかなう」の一点張りの主張も効を奏さず迷えるドルになりかけ、世界経済に注目している人ならば同じ発言に「何度も言わなくても分っています」と言いたいところだがお構い無しの様相だ。このポールソン財務長官の姿勢に、自分の信念・考えを貫く強情さが感じられ憎めない何かを感じ取るのは私だけであろうか。最近の日本にはこのような人材の存在が稀有にも感じられるからだろうか。
金融不安による大量の資金供給により行き場を失った資金が原油・穀物の先物市場に流れ、また、資産家にとっては資産を増やそうというよりも資産防衛のためであろうが、ここ一・二ヶ月で相場が急激な高騰を呈している。需要拡大という思惑であろうが世界経済の減速を表す数値がここにきて実際に現れ始め、原油・穀物の先物市場の連日の高騰も終わりに近づいてきているようにも感じられる。ヘッジファンドの投機筋がここでも一層の損失を被ることになるのだろうか。
日本経済の今に目を移すと景気後退を表す数値が出始め、小泉改革を指示していた閣僚が未だ福田内閣に多く存在しているようだが、最近の冴えない景気指数により改革を指示する声など完全に消え失せた格好だ。内容の伴わない改革が国民の酔いが醒めて指示を失った格好でもある。いままで指示していた閣僚にとって逃げ場を失い解散なり内閣総辞職なりを内心期待しているのではなかろうかとも思える昨今である。昨年夏にアメリカサブプライム問題が表面化した時のほとんどの経済関係閣僚がアメリカがコメントした「他のセクターへ影響が及ぶことは無い」というコメントを報道機関に鸚鵡(オウム)返しの様相であったが、渡辺喜美金融担当・行政改革・公務員制度改革担当相だけが今の経済状態への不安を危惧していた。渡辺喜美はどちらかというと国会内では一匹狼的存在で正常な判断能力を有しているといっても間違いなさそうだが他の経済関係閣僚は評価を下すまでもない。国民もしっかりとした判断能力を持つべきであろうが、その情報源としての最近の報道機関も金儲け優先で総白痴化し、今の現状がなるようにしてなったとも思える。
- 右を向いても左を向いても「真っ暗闇でございます」(2008/05/19)
-
日本社会が崩壊している、と危惧する意見が最近富に多くなっている。貧しいながら高度経済成長時期を生き抜いてきた団塊世代の多くの意見だ。また、新興国と言われている国々の活気に溢れた社会に比べ、なにか世相までもが暗い感じを漂わせている日本である。
株主には非常に気を使うアメリカの市場では吸収・合併が日常茶飯事で行われ年度ごとに算出する利益も経営責任として重くのしかかっている。それ故、低賃金国へ生産拠点を移し経費を抑えることにより株主への利益還元をもたらしている。それが今回の金融不安による「もの作り」を忘れたアメリカ経済の景気後退が長引くという一因にもなっている。「もの言わぬ株主」と揶揄された日本の株式市場にもアメリカの経営手法が導入された感があるが、良き面・悪しき面いろいろと判断はあろうがただ判断を下すには時期尚早である。ただ言えることは日本企業も低賃金国への生産拠点の移行、または、非正規職員化で経費削減を各企業が試みていることだけは確かだ。
かように世界経済の大競争時代に安定した生活など送れる理由もなく、それらの不満が公務員という安定した地位に安住している人間に向けられている。しかし、その公務員も度重なる失態により多くの国民から批判を浴びるに至っている。そのような社会情勢のなか国民は一筋の光を感じとったのか、総理大臣に小泉を登板させたが結果は国民にとっての光とは裏腹なものになり自民党支持率低下になって表れてきているのではなかろうか。小売業者から聞かれる、「消費者は価格に非常に敏感になっている」という言葉からも分かるように、 また、内閣府が発表した4月の消費者態度指数(2003年3月以来の低水準)からも理解できるように、また、アジアからの観光客が金を落しているにも関わらず各小売業界の売上高がここ数年間減少し続けていることからも理解できるように。
そして、最たるものは、また、これも公務員であるが各種助成金を削減する頭しか働かないことである。例えるならば、「収入がこれしかないのだから支出を減らせ」の一点張りだ。これでは収入が減るばかりである。そして今度はそれを税金で補おうとする考えのみ。そのなかに、収入を増やそうとする政治・行政姿勢がまるで伝わってこない。それらがより一層世相を暗くさせている。
- 穏やかに映る水面下での激流(2008/05/14)
-
アメリカは4月30日FF金利を0.25%引き下げ2.00%にした。インフレ率は2%を越え始めているので実質ゼロ金利政策だ。このような経済状態の中、アメリカ住宅市場の落ち込み、住宅ローンの延滞率の増加、金融機関のこれまで以上の融資基準の厳格化などが逆相乗効果をなし住宅価格の値下がりは全米主要都市に広がってきている。インフレを抑えるべき政策(金利引き上げ)と景気減速を避けたい政策(金利引き下げ)の相反する政策課題の難しさをFRBは判断しなければならない。ただ、アメリカ経済はすでにリセッション(景気後退)入りしていると判断するエコノミストも存在し金利引き下げに動くものと思われる。
FRBが3月16日(日曜日)夕に緊急の資金供給策を発表して以来、市場は落ち着きを取り戻し水面には波風も立たないような静寂な時が流れているように思えるが、アメリカの信用不安解消のための潤沢な資金供給策と相次ぐ利下げにより、ドルの増刷を表す指数が裏付けるかのように過剰流動性が高まり、それらが原油先物並びに穀物先物へと流れ先物の高騰を助長しているかのようでもある。以下、確実に進んでいるであろう社会の水面下の動きを並べてみた。
EUを始めイギリス・オーストラリア・カナダ、世界の各国でインフレが顕著になり、食糧高騰によりチベットの暴動よろしく貧困層が「食糧の高騰」に反発し「生きるため」の戦いのため暴動にまで発展している。中国もインフレ退治を昨年から表明し12日にも今年4度目になる預金準備率を引き上げ過去最高の16.5%になったが、当局の思惑通りに市場をコントロールするまでには至っていない。また4月の鉱工業生産の鈍化が顕著になり始め中国経済も黄信号が灯り始めた模様でもある。
国際エネルギー機関が2008年度の世界の石油需要の伸び予想を下方修正しているにも関わらず先物価格はその勢いを増し、バブルに踊った国々のインフレだけにとどまることなく、バブルで痛恨の傷を負った経験のある日本も今回発生した世界的バブルを水際で食い止めはしたものの穀物・資源高騰によるインフレは容赦なく押し寄せてき始めた。
アメリカ株式投信の資金の流れをみると流出が顕著に現れ始めているにも関わらず数字となって表れてこないのは、前述した大量の資金供給によるものだろうか。日本では、金融庁が限定的と説明していたアメリカ証券化商品の損失が地方の金融機関に重くのしかかり始めてきた。地方の疲弊とともに地元に投資先を見つけ出すことが出来なかった地方の金融機関がアメリカの格付けの高い証券化商品に投資した挙句の損失である。輸出を主にした大企業優先の国策を試みたものの、その成果が国民に還元される前に失速したというべき状態であろう。昨年来から増え始めている地方企業の倒産件数などを表す数字がそれを裏付けている。
- アメリカ帝国、崩壊(2008/05/09)
-
世界的な信用収縮により信用創造が問われ始め経済の停滞が待った無しの状態であるアメリカ、並びに、4月30日に発表したGDP+0.6%を記録したものの移民政策などによる人口増加を差し引くと実質数値はこれよりも低いものになり一概に喜べない状態だ、対ユーロで自国通貨が最安値に下落し原油も最高値を更新している状態でインフレ懸念をも頭をもたげ始めた。
インフレのなかの景気後退、まさしく、スタグフレーションを回避したいアメリカ。自国の外国産石油への依存からの離脱を計った国家戦略としてのエタノール生産量を義務付けた法案を可決したものの、それが世界的穀物高騰とエネルギー価格の高騰を招き、回りまわってアメリカ自身に跳ね返ってきている。それ故、ブッシュ・アメリカはOPECなどへ増産を呼び掛けているのが現況だ。だが、石油産出国は原油生産の現状維持を決め、ガスOPEC版とも言われていると同時にアメリカとどちらかというと敵対的関係にあり、豊富なガス埋蔵量のロシアとイランが減産傾向にある。
リセッション入りを回避するには金利を引き下げねばならないが、実際、インフレの台頭により金利引き下げが遠のいたとい市場関係者の声によりアメリカを始め日本の株式市場も値を戻していたようだが、4/30にFF金利を0.25%引き下げ2.00%に変更した。この処置はリセッション入り回避を強く意識したものである。しかし、バブル以降の日本経済を見れば判断できるように景気回復をもたらすかということに関して甚だ疑問が残る。
アメリカの現在の金利が2.00%、そろそろ金利操作の限界にもきている。残された時間と政策はそれほど多くは無い。そして、その影響をもろに被る日本を始めASEANプラス3。図式らしきものはほぼ出来上がった。
冷戦以降、世界の警察・アメリカ帝国と称されていたが、アメリカの誇るべき情報組織がイラク戦争を始めとしてその機能が不全になり、矢つぎばやに行う政策自体が自分の首を絞める形になり掛けてきている。世界史的にみて歴史的に見て、アメリカ帝国の末期症状のようにも写り始めた。
- 日本経済、復活の秘訣(2008/05/07)
-
官僚が各種指標をもとにした報告書などを眺めると、実に、ぬかりの無い表現になっている。今後の世の移り変わりのどちら側へ移行しても報告書として立派に出来上がっている。この報告書を参考に政策立案を行っていくのであろうが、その立案も官僚任せにしかできない政治家が悪いのか、そのような政治家を選択した国民が悪いのか。
住宅・土地などの値上がりによる資産の増加分により借り入れを容易にさせたクレジットローン、各国の経済バブルの主因の一つとも考えられているが、ローンの担保にしていた土地・建物の値段が下がりはじめ多くの国でローンの遅延率・延滞率が急増してきている。新興国のなかでアメリカとの貿易関係の少ないロシア、また、「最新の金融技術を駆使した新しい金融商品」と美辞麗句で称賛されていた今は単なる紙屑になりかけてきた証券化商品に手を出さなかった、というより国内に投資先が充分にあったブラジル、この両国がなかでも一番今回のサブプライム問題で被害を被らなかった国ではなかろうか。ただ、最近の経済指標でブラジルのダンボール販売が、前年同月比で6%近くの落ち込みを記録したというニュースは今後の経済の弱さを表しているようにも思えるが。
世界経済を見渡すと景気後退局面に差し掛かってきていると判断しても間違いなさそうだが、「日本の経済はもはや一流と呼ばれる状況ではない」発言の大田弘子経済財政担当相はアメリカの減税政策などの効果を見極める段階だと繰り返し述べ又金融政策面からの対応に関しては「日銀の専管事項でコメントを控える」と答えているが、今でも0.5%の金利、金利引き上げの過程において少なくとも二回の金利引き上げが可能な時期があったようにも思えるが自民党有力議員からの圧力などでそれも叶わず、打つ手無しの日銀に新しく就任した白川日銀総裁は「金融政策の基本的考え方として効果の波及に時間がかかることや予断をもたぬこと」などを挙げ濁らすような発言のみ、金融・財政どちらも操縦困難なと言うべきか明確な政策を打ち出せない局面に差し掛かってきている。
金融自由化を訴え郵政民有化を成し遂げ貿易立国を目指した小泉改革、ここにきて、貿易黒字は30%減を記録し財政赤字は2002年から昨年末までで200兆円増加、小泉改革も掛け声だけで数字にも表れない始末で終わりそうな雰囲気を醸し出してきている。報道機関も小泉改革で薔薇色の社会を想像していたのだろうが、その報道機関の内容にようやく気付き始めた国民が、最近の福田総理支持率低下に見られるように福田総理自身に対する支持率よりも小泉改革に対する国民の評価が下された、という表現の方が的確のように思われる。
日本経済の強みもかなぐり捨て世界に打って出たのは良いが、あまりにもその傷口は大きく広がり、「日本の経済はもはや一流と呼ばれる状況ではない」がまさしく当てはまる状況になった。そして、今までの延長線上でしか対処できない政治家と官僚、日本にも新しいタイプの指導者が現れてこなければならないのだろうが、現在の状況を見渡すと芽生え始めたというところだろうか。
以下は、独断と偏見だけで新しいタイプの指導者を想像してみた。
1) 「大樹の側に大樹は育たない」の諺の如き、大物といわれた人の側には大物は育たないという諺の如き二世議員は削除
2) 点数主義の教育において高得点のみを取るだけに力を注いだ人間に発想力などありはしない。学歴を単なる資格と思い込んでいる節があることから、優秀な成績をおさめ超一流の学歴を有している人間は削除。
勝手ながら、個人的に以上のような条件にあった指導者を切望している。
- 貿易立国「日本」に黄信号が点灯(2008/04/26)
-
3月の貿易黒字額が30%減を記録した。日本からの輸出品目をみるとアメリカ向けの輸送用機器(乗用車・バス・トラックを含めた自動車)の落ち込みが著しく、また、EUへのその輸出額も微減で、その分、アジア向けが増えその額をカバーしている状態だ。なかでも元高による輸入物価の割安感と富裕層向けの中国が額は小さいものの65%近くの伸びを記録している。
貿易黒字額30%減を記録した原因は、50%近くにのぼる鉱物性燃料(原油など資源エネルギー)金額の増加である。これが3月の貿易黒字の縮小させた原因だが、連日のように最高値更新している原油先物、120ドル越えも時間の問題とされ、このままでは日本が貿易赤字になるのも時間の問題ではなかろうか。
そして、国内消費産業は冬の時代に突入し笛吹けど踊らずの消費活動、国内産業で活況を呈しているところを探すのが難しいほどだ。一方、資源エネルギー国・中国・ブラジルを始めとした新興国などへの大型プロジェクトなどをみると技術移転を前提とした商談が主流になりかけ新興国自らを中心においた自国優先主義と化してきている。行き過ぎたグローバル経済を修正する並びに監視する意見が多くなりかけていることからグローバル経済の流れにブレーキがかけられることと思われる。そして、加工貿易で世界のトップに立っていた日本の技術もその影は薄くなりかけその差は縮小する一方である。
インドの「タタモーターズ」が開発した27万円の車、それがインドのニーズに合っているように付加価値だけがすべてでは無いことも明らかだ。また付加価値を生む技術の差の縮小により製品価格競争も激しさを増し価格低下の勢いが増してくるものと思われるが、その中で、限られた資源の値段がより一層上値を追うことも考えられる。
資源小国日本の生き残る道はあるのだろうか、なんら戦略的政策も持たずアメリカに追従して歩いてきた日本の政治と行政、世界からより一層小さく見られるのではなかろうか。
また、春先から国債相場の下落に歯止めがかからない不安定な状況が続き、インフレのなかの景気減速など、まさしく、目まぐるしく変化する世界経済、一寸先は闇の状態が続きそうだ。
- 革命、待った無し(2008/04/21)
-
大手金融機関の第1四半期決算で、米シティグループが160億ドル(約1兆6000億円)の損失を計上、また、イギリスの大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が約40億ポンド(約8300億円)の損失計上を発表する見通しだと報じている。これに関してイギリス政府は10兆円規模の銀行の抱えている不良債権と国債を交換する政策を発表している。
金融市場の損失が続くなか、6ヶ月先を読むと言われている株式市場は最悪期が過ぎたと小康状態を保っているかのようにも映る。
反面、アメリカ住宅ローン会社が経営破綻やリストラと今年だけで約90社が新規貸し出しの停止や破産を申請しておりそれに伴い約4万人が解雇され、サブプライムローン借入れ者の破綻申請もこれから増え続けるといわれているなか、一連の金融不安のあおりで人員削減された人々が、どちらかというと今まで勝ち組に属していた層で、それらの人が新たなクレジットローンなどの問題を抱えることも想像できる。まるで、スパイラルの渦に巻き込まれていく様相になってきた。
このように世界的バブルが連鎖しながら萎んでいくなか、商品バブルだけは健在で石油はもとより食料価格が急速に上昇し、急速に上昇したそれら地域では貧困層(収入に占める食糧費が高い層)を直撃し暴動が起き始め、その勢いは他国にも広がりを見せ始めている。中国でも高いインフレ率を示しているが、食糧の高騰は他の商品に比べ格段に高く自国穀物の輸出制限を掛け始めている。が、これは中国に限ったことでは無い。
日本でも食糧高騰・自給率に関しての話題がようやく出始めた感であるが、そのなか、ジャガイモが見直され始めてきているという。「貧乏人はジャガイモを食え」という政策の失敗の責任はどのように取るつもりでいるのか。グローバル経済の進展だけで片付けられては甚だ迷惑至極である。1984年のアメリカ大手銀行破綻が世界経済に影響を与えた反省から生まれたBIS規制、自己資本比率をクリアできなそうにない銀行も現れ始め、見直しも囁かれ始めている。
楽しみを極め、諌めをも思ひ入れず、天下の乱れん事をも悟らずして、民間の憂ふる所を知らざりしかば、久しからずして亡じにし者どもなり、平家物語の冒頭よろしく国民の憂いるところも悟っていない日本の政策担当者、世界広しと言えども、革命の起こった前夜は皆同じ状態だった。アメリカ追随のみの政策だけで国力を増幅できた時代は終わり、残された役立たずの組織を変革するには、暴力・非暴力を問わず革命に近いものが行われるものと思われる。
- G7、ポールソン財務長官の発言(2008/04/14)
-
ブッシュ米大統領特別代表として中国を訪れていたポールソン財務長官、帰国後の講演のなかで、「資本が必要になると思うなら政府の支援を当てにすべきでなく自力で調達するべきだ」と、金融市場の混乱で影響を被っている金融機関に自力で資本を増強するよう求める発言をしている。また、G7でもこの姿勢はなんら変わりない。
前回にも報告したが、アメリカは対中国政策で柔軟な姿勢を見せている。舞台裏でアメリカの銀行(世界の銀行)への中国からの出資を強く要請しているようにも受け取れる。中国チベット自治区での大規模な暴動など今までは絶対に圧力を掛けていたアメリカから何ら批判めいた報道がなされていない。ポールソン財務長官の訪中時に密約が交わされたと解釈するには早計だろうか。
一方、日本の金融関係者からはアメリカバブル処理に公的資金投入を促すような意見が多い。日本の場合、公的資金投入に10兆円近くとその他30兆円ほどの税金を投入している。その上、長年による低金利で30兆円近くの「濡れ手に粟の金儲け」を銀行はバブル処理によってさせてもらった。
その仕掛け人が、「ノーパン・しゃぶしゃぶ」事件如き接待、天下り確保を確実にするために税金を使い、新しい天下り先確保に懸命で、自分達に都合の良い数字だけを並べ、逆に言えば、都合の悪い数字は表に出さず、政策立案をも出来ない国会議員を操り、自ら何ら責任をも取ること無く、自分達は優秀であると思い上がっている官僚組織に属する人間である。
「日本国の為」の名目の下、国民ひとり一人に多大な迷惑・損害を与え、社会保険庁の年金問題を始め財政赤字を良いことにより一層の負担を国民に押し付けてきている。政策的失敗によるバブルの生成、今始まったことでもない長寿高齢化問題・少子化など最近では食糧自給問題でも、官僚の押し付けてくる政策には呆れるばかりだ。世論調査でも一番信頼できないのが官僚で首位の座を明け渡したことがないほどの優秀さである。
さて、公的資金投入しか頭に無かった日本の政治家と官僚、日本の数十倍もの不良資産を抱えているアメリカがどのようにこの問題を解決させるか、官僚と言えば若い時代に国費でアメリカ留学と国際的コネだけは立派だが、それがアメリカからの要請を抑えられない一因でもあろうが、アメリカも日本の世論を把握できないようでは今後摩擦が生じるものと思われるが、アメリカの軸足はすでに日本にはないのかもしれない。
優秀な人材を獲得するためと一向に進まない官僚組織改革、今の日本をみれば優秀ではない組織としか判断できないが、それでも優秀という言うべきところに国民からの指示を失うことになるだろう。
今後始まるアメリカバブル処理の政策、日本のバブル処理における優秀な官僚の練った政策との異なりをじっくりと観察するのも一考と思われる。
- 不良紙幣ドル(2008/04/07)
-
輸出額の60%以上が対EU25ヶ国で占められているようにロシアはアメリカ経済への依存性が非常に低く、そのうち、70%弱がエネルギー資源である。そのロシアがグルジア・ウクライナのNATO加盟問題並びにアメリカミサイル防衛(MD)システムをめぐりアメリカに厳しい姿勢を示している。ロシアのエネルギーに依存しているドイツ・フランスなどEUの姿勢もアメリカのそれとは異なり、EUはアメリカの意のままにはなっていない。
一方、中国の輸出額による相手国を調べると日本と似たり寄ったりでアメリカ経済への依存度が非常に高く両国とも20%を優に超えている状態だ。ブッシュ米大統領特別代表として中国を訪れていたポールソン財務長官が、中国市場の市場開放度合について、「改革は決して一直線には進まない」と急激な発展を抑えようとする中国の政策に理解をしめしている。ポールソン財務長官といえば、対中貿易赤字を縮小するため人民元の大幅な切り上げを厳しく求めていた人間である。ここ二三ヶ月での豹変ぶりだ。
中国政府も経済を発展させるためにはアメリカ市場への依存が欠かせなく、金融収縮によるアメリカ経済の弱体化がなにより心配するところである。貿易黒字と為替介入でため込んだドル、昨年末時点で約50億ドル相当のサブプライム関連資産担保証券を保有していた中国銀行(中国の国有銀行)がサブプライムローン関連証券の損失を見込んで13億ドルの引当金を今春計上している。また、政府系ファンドという形で為替介入などで得たドルを運用している中国であるが、そのあたりの損失もかなりの額に達しているものと想像できる。
公的資金投入に対して厳しい目を向けられるアメリカで、最後の寄りどころが政府系ファンドを有する各国からのアメリカ金融機関への出資などであろう。実際、損失を抱えている世界の金融機関に最近、株主割当増資・転換優先株発行・新たな資金集めなどのニュースが伝わってきている。今春、金融情報規制で中国をWTOに提訴はしたがその勢いは薄れるばかり、チベット動乱・台湾国連住民投票などアメリカの姿勢・報道に変化が見られ、すべてが「金融機関救済」という観点からの行動だろう。アメリカの思惑通りに事が運ぶか、はたまた、各国の溜め込んだドルがアメリカに没収されるかが今後の見所だ。
そして、中国同様、為替介入・貿易黒字などで溜め込んだ日本のドル、売るに売れず、換えるに換えられぬ不良紙幣ドル、その運用、国際経済における日本の地位が日本の土地の面積のように段々段々小さくなりかけてきている。
[すべて 敬称略]
|