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サブプライム問題、一連の流れを追う


更新日:2008/07/05
ドル安・原油高・株安の構図のなかにヘッジファンドがドル安のヘッジとして原油高を利用しているとの思惑が浮び上ってきている。このところ、頓に原油価格の値上りが激しさを増してきている。そして、アメリカ・ポールソン財務長官がこのところ慌ただしく世界中を駆け巡っている。

(記:2008/07/05)

始めに:
サブプライム問題にまつわる世界的信用収縮により、銀行を始め証券・保険業界の損失のニュースが後を絶たない、また、それにまつわり、商品先物・原油先物・株式の動きが荒々しくなってきている。今後、どのような形となってこの問題が治まるものなのか関係者ですらもその実態をつかみきれていないというのが現実である。そこで、これまでのサブプライム問題に関わる要人のコメントを時系列的に精査してみることにした。参考にさせて頂いたニュースは各報道機関・週間月刊経済情報誌・ロイター・時事通信社などなど。
2006-2007年にかけて日本の土地・建物の高騰をバブルの再来として批評した意見も、バブルの勢いにのる人間には「聞く耳、持たず」であったようだが、また、アメリカ・サブプライムローン問題も2006年度あたりから住宅バブルでありいつかは破綻すると指摘していた人々もいたが、アメリカ高官などの「サブプライムローン問題は他のセクターへ影響を及ぼさない」というコメントに流された感がある。時を振り返ることにより、今後のサブプライム問題に絡む方向性のような物を感じ取れるのではなかろうか。今後、加筆修正をしながら世界経済を混乱させたこの問題を追跡してみようと思っている。日付に関しては日本時間とアメリカ時間との混入になっている可能性がある。

注意: ファイルが大きくなりすぎたので分割した。
リンク先: 2008年度より(現在のページ) 2007年度






=== 2008/7月 ===
(07/01) アメリカ・コーヒーチェーン最大手スターバックス、600店舗を追加閉鎖へ
(07/02) 6月30日に付けた過去最高値(143.67ドル)を上回る水準を付け、その後の時間外で144.32ドルまで上昇し、最高値を更新した。
(07/03) 日経平均、43年ぶりに10日連続の下落を記録



=== 2008/6月 ===
(06/01) 外国からの投資に対するブッシュ政権のオープンな姿勢を強調しに中東各国を歴訪していた、換言すれば、アメリカ金融機関への出資要請の訪問のようであったが、その答はドルベッグ制維持のみの答だった。
(06/02) 国内金融機関のサブプライム関連損失、3月末で1兆9000億円と予想の40%増。
(06/03) イギリス、住宅金融大手ブラッドフォード・アンド・ビングレーが組成したローンの質が、支払い遅延や担保差し押さえ詐欺などの急増により急速に悪化。
(06/05) 米企業の債務格下げ総額、第2四半期に過去最高に
(06/06) 原油先物相場が一時139.12ドルと、5月22日に付けた過去最高値(135.09ドル)を大きく更新
(06/09) 世界の債券発行の停滞が鮮明に。為替介入についての可能性を排除しないとのポールソン財務長官の発言。
(06/12) アメリカ株式市場は大幅下落、原油価格高が圧迫か
(06/16) 一時1バレル=139.89ドルまで上伸、140ドルの大台に迫る。取引途中の最高値を10日ぶりに更新
(06/19) ガソリンおよびディーゼルの小売価格を最大18%引き上げた中国の影響で、石油需要が冷え込むとの懸念から、原油先物が前日終値比4.75ドル安の131.93ドル
(06/20) 証券大手ベアー・スターンズの救済合併が決まった直後の3月18日以来、3カ月ぶりに1万2000ドルの大台を割り込む。スタンダード&プアーズ(S&P)がアメリカ三大自動車メーカー(フォードモーター・GM・クライスラー)の格付けを引き下げる可能性を明らかに。また、アメリカ大手金融機関に業績の下方修正や追加評価損を発表するとの噂が拡がった。
(06/22) アメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)でFF金利の誘導目標を据置く方向、景気減速からインフレ抑制の方向へ完全に軸足が動いた。
(06/23) 米航空大手ユナイテッド航空パイロット950人をレイオフする計画、シティグループはトレーディング・投資銀行部門で約6500人の人員削減を発表。
(06/24) 円売り要因として欧米金融機関の資金繰り問題が再燃との意見が市場にある。
(06/26) 米国株式市場は大幅に下落、ダウ工業株30種は一時、2006年9月以来の安値をつける。アメリカ原油先物相場で5ドル強上昇し史上初の140ドル台 (06/27) ゴールドマン・サックス が金融株や自動車株の売却を推奨
米投資週刊紙が米金融株がさらに40%か50%下落する可能性があると指摘した


三月の金融危機時に行ったアメリカFRBの大量の資金供給により、商品先物・原油先物への資金の流れでインフレの傾向が鮮明になり、各国では暴動にまで発展している。それとは別に、イギリスでは急激な経済減速が現れはじめ、また、アメリカの金融機関の破綻の噂も市場には流れ始めた。三月以降のアメリカ口先介入もその効果は薄れるばかりだ。

(記:2008/06/16)

急激な原油高騰の原因として、原油先物への投機資金と新興国の需要が取り沙汰されてるなか、このところの急激な価格の値上りで各国の外貨準備高への影響も懸念され始め、それを防ぐため各国は自国通貨買いを行いインフレ抑制策を開始し始めている。円安を喜ぶのは日本だけか。

(記:2008/06/28)




=== 2008/5月 ===
(05/01) 金融庁が限定的と言っていた日本の金融機関のサブプライム関連損失計、1兆5000億円超となる。疲弊した地方に融資先を開発できなかった地方銀行がアメリカの証券化商品に投資していたことも見逃せない。
(05/04) 東南アジア諸国連合と日中韓(ASEAN+3)の財務省会議で、世界経済は困難な時期に直面しているとの認識を示すとともにアジア版IMF創設につながる地域金融協力が前進。
米著名投資家バフェット氏は住宅問題が銀行の決算を「今後数年間にわたり」圧迫すると指摘。銀行が抱える巨額の損失と評価損の計上は「決して」終わっていないとし、「一段の痛みを経験することは間違いない」と語った。
(05/05) 主要産油国ナイジェリアで油井が爆破されたことを受け原油1バレル=120ドルの大台を突破。米銀大手BankOfAmericaが住宅金融カントリーワイド・フィナンシャルの買収提案を撤回するとの懸念から米国株式市場下落
(05/06) スイスの金融大手UBS、1-3月期の最終損益が115億スイスフラン(約1兆1500億円)の赤字となった。
(05/07) 2008年の石油輸出国機構加盟国の原油輸出収入が、輸入を差し引いた純輸出で1兆600億ドル(約111兆円)となり、初めて1兆ドルを突破するとの予想を米エネルギー情報局(EIA)が発表。07年の6740億ドルから57%アップ。
(05/08) 原油・穀物市場では過去最高値を更新を受け、IMFは世界的なインフレが再来しているとの認識を示した
世界最大の保険会社AIG、純損失は78億1000万ドル。
(05/09) 米金融大手CITIGROUPは9日、最大4000億ドルの非中核資産を売却する計画を発表、アナリストは、米国・日本・メキシコ・ドイツのコンシュマー・ファイナンス部門が売却される可能性があると指摘
3月の米貿易赤字は、輸入が過去最大の減少を記録
(05/13) 7営業日連続で取引途中の最高値を更新、一時1バレル=126.98ドル。
(05/21) 5月の金融経済月報で、消費者物価も消費税引き上げの影響を除くと3月は15年ぶりのプラス幅となった
(05/22) 時間外取引で135.09ドルまで上昇し最高値を更新
原油価格の急騰でアメリカビッグスリー(自動車メーカー)が苦境。各国・各界からアメリカの大量の資金供給が原油・穀物先物の高騰を招いたという批判に対しポールソン米財務長官は原油・穀物の上昇はひっ迫する供給と世界的な需要の高まりを反映したもので投機筋が原因ではないとの反論。
(05/23) イギリスでは急激な景気減速が現れ始める。
(05/24) 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は「もはや制御不能な状況となっている」と、アメリカ経済を分析
(05/26) 投資失敗が表面化した最大の年金基金カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパー ス)の経営幹部が相次いで辞任を表明。
自民党、小泉改革の市場原理主義を変更か、新たな内需振興策のメニューを示す方針を明らかにする。小泉改革の総括もせず路線変更か?
(05/27) 欧州の大手金融機関、スイス(UBS)の損失額2兆円を筆頭に、前四半期から損失額が拡大
インドネシア・フィリピン・韓国・台湾の中央銀行が、自国通貨の支援に向けて米ドル売り介入を実施

大量の資金供給以降、市場は穏やかさを保っている。その反面、穀物高騰が貧困層を直撃し暴動にまで発展した国も出始めてきている。(2008/05/06)
5月前半はアメリカ経済楽観論が漂っていたが、後半からは原油・穀物先物の高騰によるインフレの台頭、各種経済指数の悪化などによる悲観論に変る。



=== 2008/4月 ===
(04/01) NY商品先物市場で、金・原油が急落。金塊先物相場は881.6ドル(約2カ月半ぶりの900ドル割れ)。原油先物相場は、99.55ドル(1週間ぶりの100ドル割れ)。
アメリカ国債のみを担保にした、40億ドルの資金供給を行う。
(04/02) EUの欧州委員会は、英政府による中堅銀行ノーザン・ロックの一時国有化の妥当性についての調査を開始。
(04/04) 世界的な信用危機の規模や深刻さは予測困難、とドイツ財務相の発言
サブプライムローン関連の商品・住宅ローン担保証券(RMBS)業務を行っていなかった大和証券グループが一連の信用収縮や株価低迷によるトレーディング収益の悪化で経常利益が前年比で半減すると発表。また、日本政府の銀行への公的資金投入額がかなりの損失が明らかになり保持しつづけなければならなくなっている。
(04/07) 国際決済銀行(BIS)総支配人、金融市場の混乱は第2次世界大戦以降最大の打撃のものとの認識。クレジット問題の悪化により2-3年以内に150の銀行が破たんする可能性が高いとの調査報告
(04/09) FRBは、身近に実施した信用収縮対策の効果が出なかった場合に備え緊急対策を検討し始める。イギリス・スイス両政府もその傾向。原油先物市場で1バレル=112ドルを突破し過去最高値を更新。
(04/10) ポールソン米財務長官は10日、住宅・資本市場の問題について「米景気は急激に悪化した。リスクは依然として下向きだ」との認識を示す。
(04/11) みずほ証券(非上場)は07年12月末のトレーディング損失が1909億円だったが08年3月期、4000億円と拡大する。今後の市場関係者の注目は、モノライン(金融保証専門会社)への残高や商業用不動産を担保とする証券化商品(CMBS)の残高を持つ野村ホールディングスに移った。
(04/12) G7で「主要通貨の時として急激な変動がある、また、懸念している」という表現が盛り込まれた。
(04/14) ゴールドマン・サックスは調査リポートで、これまでに発表されている第1四半期の米企業業績は「ひどい状態」で、米株式相場は今後数週間で下落するとの見通しを示した。
(04/16) 中国の国内総生産(GDP)伸び率が前年比10.6%に、2007年第4四半期の11.2%から減速。食品価格が21.0%上昇し、8.0%のCPI上昇率のうち6.8%を占めた。
アメリカ株式市場大幅続伸。JPモルガン・チェースなどがこの日発表した決算が投資家の業績懸念を緩和。G7以降、市場の流れが変わってきている。
住宅市場と住宅建設は大半の地区で引き続き低迷するも悪化ペースが加速している兆候はさほど見られない、また、労働市場が全般的に軟調であるにもかかわらず、賃金圧力が高まり熟練労働者が引き続き不足している、とのニューヨーク連銀の報告
(04/17) イングランド銀行(英中央銀行)のビーン理事は、ポンド安で商品価格上昇の影響が増幅されるため、国内インフレ率は年内に3%を上回る可能性を示した。
原油先物相場は、ドル安と需給逼迫(ひっぱく)懸念を背景に一時115.54ドルまで上伸し4日連続で史上最高値を更新
(04/18) シティグループ、信用収縮に関連して160億ドル(約1兆6000億円)の損失を計上、昨年からの合計損失額は欧米金融機関で最大となる約460億ドルに達した。業績悪化を受け、9000人規模の人員削減を実施する。
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのウェーバー独連銀総裁は、ユーロ圏のインフレについて非常に懸念していると述べ2008年に3%を上回る可能性があるとの見解を示した。EUはインフレに軸足を置き、同じく特に食料品のインフレが激しい中国もインフレ退治に軸足を置き、各国とも経済の舵取りが難しい様相を呈し始めた。
(04/22) 英銀行大手のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(イギリスRBS)、120億ポンド(約2.4兆円)の株主割当増資を実施すると発表
1バレル=119.90ドルの最高値に上昇、6営業日連続で史上最高値を更新
(04/23) 3月の貿易統計速報で、貿易黒字額は前年比30.2%減少の1兆1186億円に、2カ月ぶりの減少となった。
(04/25) 野村証券が9年ぶりの赤字転落、当期損失は678億円
国債急落により初の一時取引停止、不測の事態に陥る前にリスク量を減らす管理手法「バリュー・アット・リスク(VaR)」に抵触した保有債券の売却が相次いだためとみられる
(04/30) フェデラルファンド(FF)金利、0.25%2.00%へ。原油先物相場、前日終値比2.17ドル安の1バレル=113.46ドルと約2週間ぶりの安値

低開発国で食糧品高騰などにより暴動のニュースが伝わってきている。収入に占める食糧費の比率が高い貧困層には食料品の値上がりは大きな社会問題になりつつある。
また、多額の損失を出した銀行を有するアメリカ・スイス、銀行を国有化したイギリスなどから、金融市場の沈静化に向けた計画の動きが出始めている
3月中のベアー・スターンズ実質破たん処理時の大量の資金供給と4月始めの資金供給とで、G7以降金融セクターへの懸念が和らぎ市場は落ち着きを見せ始めている。が、損失拡大に歯止めがかかるかどうかはなお不透明な部分が残されている。



=== 2008/3月 ===
(03/03) 円、1年3ヶ月ぶりに102円台。日経平均は終値で1月23日以来の1万3000円割れ
(03/04) 5営業日連日で過去最高値を更新し続けその間4%強上昇していた、NY金先物相場は6営業日ぶりに急反落。
オーストラリア準備銀行(RBA中央銀行)、今年二回目の政策金利引き上げ'.25%へ。一方、カナダ銀行(中央銀行)は米景気減速の影響への対応として、0.50%引き下げ3.50#37;へ
(03/06) クレジット市場をめぐる懸念から米国株式市場は大幅に反落。
(03/07) 日経平均、前日比400円を超える下落となり再び1万3000円を割り込む
米住宅ローン会社のデフォルトによる信用収縮懸念と円高による輸出企業の業績懸念が台頭
「金融機関が破たんする可能性があると述べた」バーナンキFRB議長の発言で、破綻する銀行の憶測も流れ始め、次の段階として公的資金注入の時期の憶測も。
(03/11) FRBとECB(欧州中央銀行)はクレジット市場収縮による流動性対策を発表。
(03/13) 日経平均3日ぶりに大幅反落12,433.44(-427.69)、円が一時、1ドル=100円を突破。アメリカ商品市場では金先物が史上初めて1オンス=1000ドル台、原油先物は1バレル=110ドルを上回る。
(03/14) アメリカ証券大手ベアー・スターンズ資金繰りが悪化し、JPモルガン・チェースが緊急融資。一時、NY主要3指数は一時2%超下落
(03/16) FRB、16日(日曜日)夕、緊急の資金供給策を発表。ニューヨーク連銀が適用する公定歩合を現行の3.5%から3.25%に引き下げ
(03/17) ドル/円は12年半ぶりの水準となる95.77円に急落、日経平均も一時500円以上の下げ。また、ヘッジファンドがドル売り/原油先物買いのポジションを膨らませていることからアメリカ原油先物、最高値を更新。

(03/18) FF金利、0.75%引き下げ2.25%へ
主要通貨に対するドルの価値を示すドル指数が、2006年8.2%、2007年に8.4%、2008年に入ってさらに6.2%下落している。
(03/19) 2ファンド筋の利食い売りなどで金・原油価格の急落(米欧市場でアメリカの金融機関に余裕がなくなり、その前段階としてヘッジファンドへの融資が絞られヘッジファンドの現金化が加速、また、巨額損失で身動きが取れなくなったヘッジファンドの投げ売りという噂も)
(03/20) アメリカ原油先物、2週間ぶりに1バレル=100ドルを下回る。
(03/25) 中国の国有銀行「中国銀行」がサブプライムローン関連証券をめぐる損失を見込んで13億ドルの引当金を計上。07年末時点で約50億万ドル相当のサブプライム関連資産担保証券(ABS)を保有していた。
日本のネット銀行大手「イーバンク」、サブプライムローン関連の証券化商品で約46億円の損失。
(03/26) 中国建設銀行は過去1年間に米カントリーワイド・フィナンシャルや英国のノーザン・ロックなどを含め、出資を求める案件を30件近く断ったと、関係筋が匿名を条件に明らかにした。また、他の中国の主要銀行幹部も「毎週のように」世界の投資銀行から出資の打診を受けていると打ち明けている。

先月までは、リセッション(景気後退)入りしたか、という判断が問われていたが、この三月はリセッションからどう抜け出すかが焦点になってきている。まことに激しい変化である。各国中央銀行が協調して行った「クレジット市場収縮による流動性対策」も今回はその効果半日も待たずの感でした。逆に、ヘッジファンドの連鎖破綻への恐怖が市場を駆け巡っているようです。
アメリカ証券大手ベアー・スターンズ資金繰りが悪化し、JPモルガン・チェースが緊急融資、並びに、救済合併という事態に発展、それも、二日前まで30ドル近辺の株価が評価額約2ドルでということが象徴的出来事であった。


=== 2008/2月 ===
(02/01) 欧米8銀行(バークレイズ、BNPパリバ、シティグループ、ドレスナー銀行、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド、ソシエテ・ジェネラル、UBS、ワコビア)が金融保証会社(モノライン)の救済に向けて企業連合を結成
(02/04) モノライン救済観測などで、日経平均は一時400円近く上昇。
金融大手シティグループが英国のクレジットカード顧客約16万人に対し契約解除を通告。サブプライム問題とは直に関係ない商業用不動産の下落(21-26%)が指摘され、サブプライム以外の住宅ローン、消費者ローン、企業向けローンから生じる損失が浮上し始める。
米アメックスなど米クレジットカード3社の投資判断引き下げへ。
(02/05) 欧州外為市場で各種指数が予想以上に悪化したことを受けユーロが大幅に下落。
ローンの借り手の返済遅延、景気後退入りする可能性、金融商品関連の損失拡大の懸念よりアメリカ株式市場で金融株を中心に大幅続落。
(02/07) 1月の米チェーン店売上高、1969年11月に統計を取り出して以来の最低水準を記録。
(02/14) バーナンキ米連邦準備理事会議長は上院銀行委員会の証言の中で追加利下げを行う可能性を示唆する一方、景気は年内に上向く見通しも明らかにした。、また、サブプライムローン損失で銀行が債務超過におちいる差し迫った脅威はないとも発言。銀行の債務超過の表現が公式の場で出てきたのは初めて
(02/15) アメリカに於いて、1月の差し押さえと支払い遅延がともに過去最高を記録、一方、金利低下により住宅ローン申請件数は前月から大幅に増加
(02/17) 英政府は中堅銀行ノーザンロック(Northern Rock)を一時国有化
(02/19) CITIGROUPのアジア、欧州、中南米のリテール店舗や消費者金融事業を一部売却または閉鎖する方針を伝えた。
(02/20) 原油先物相場で連日の高値更新(101ドル台)、また、ニューヨーク商品取引所の金塊先物相場でも連日の高値更新(1オンス=937.80ドル)。穀物先物の一部も高値更新。
(02/21) 2月のアメリカ製造業業況判断指数-24.0%と悪化。住宅ローン問題が消費の減少へ、そして、製造業分野まで拡がってきている。
(02/22) サブプライム関連投資の損失により、赤字転落する日本の金融機関が現れる。
(02/25) 米金融保証会社のアムバック・フィナンシャル・グループに対する救済計画案を好感し日本の株価13,914.57(+414.11)と反発。一部に、救済計画案を疑問視する声、並びに、決算期を向かえ年金資金のPKOの声も聞かれた。
(02/27) バーナンキFRB議長、下院金融委員会での証言の中で一段の利下げに踏み切る用意があることを示唆。原油先物・金魂相場、ともに高値更新
(02/28) アメリカ保険最大手、アメリカン・インターナショナル・グループ、昨年10-12月期に約144億ドル損失
(02/29) 各国との金利差縮小により本格的ドル安円高傾向の始まりが現れ始めるか。FRB議長、一部の中小金融機関に破たんする可能性を示唆。

バーナンキFRB議長が景気後退(リセッション)入りしているとほぼ認めるところまできている。サブプライムローン問題という低所得者向けローンから、一般の住宅価格・商業用不動産へとバブルが完全に弾けた様相になりかけてきている。フレディマック・ファニーメイなどの米連邦住宅抵当金庫などの損失から始まり、金融機関の損失、そして、金融保証会社(モノライン)の救済に向けての思惑など・・・、そして、損失が治まる気配どころかより一層の拡大をし始めてきている。
「景気低迷は長期化し米国が経験したリセッションのなかでも、最悪なものになるだろう」、世界恐慌・金融恐慌・金融メルトダウンなどの言葉が出始めてきた。
また、著名投資家ジム・ロジャーズ、「米国はすでにリセッションに入っており今後悪化する」とも述べ、1990年代初頭に日本が犯したのと「同じ間違い」をし、「18年後の今でも日本は回復していない」とも指摘した。



=== 2008/1月 ===
(01/02) 米原油先物が初の100ドル台、経済やインフレに対する懸念もあらためて意識
(01/11) 金塊相場、四日連続の最高値更新。
(01/15) CITIBANK第4・四半期決算での損失、181億ドル(うち債務担保証券CDO関連174億ドル)と発表。私募形式の優先転換証券(125億ドル)の発行、内訳はシンガポール政府投資公社から68億8000万ドル、ウェート投資庁から30億ドル、その他からも調達。また、全従業員の約1%に相当する4200人の人員削減を発表
また、MerrillLynchも総額66億ドルの資本増強を行うと発表した。
(01/16)米JPモルガン、10-12月期のサブプライム損失27億ドル。7-9月期のサブプライム損失は22億ドル(サブプライム関連証券の販売・投資を積極的に手がけていなかったのが幸いした)
(01/16)中国、CITIBANKへの出資を土壇場で中止。サブプライム問題の損失がどこまで膨らむかわからない状況下での海外投資は慎重であるべきとの判断から
原油先物相場は続落(90ドル割れ)、また、金先物相場も前日比20.6ドル安の大幅続落。
(01/17) MerrillLynch評価損などの計上が約160億ドルと発表
(01/21) 世界同時株安の大きな原因になった、2兆ドルを超える保証を行っていると推測される金融保証会社(モノライン)への不安が表面化
(01/22) 21日から始まった世界同時株安を受け、FRB 0.75%の緊急利下げ、FF金利3.5%に。ちなみに、東京市場は前年末から2734円73円の下落。
アメリカ大手銀行BankOfAmerica78億ドル、ワコビア29億ドルのサブプライム関連損失を計上。
(01/24) アメリカ政府によるモノライン(金融保証会社)への支援策がまとまりつつあるとの見方が高まり株式市場はアメリカ・日本の両市場は反発。ニューヨーク株式相場、前日終値比298.98ドル高の1万2270.17ドル、6営業日ぶりに反発。
(01/25) アメリカの支援策と株高を受け日本市場では日経平均前日比536.38銭高の1万3629円16銭、3日続伸。
(01/28) 週明け、アメリカ経済をめぐる懸念が再燃しアジア株が軒並み下落。
日経平均先週末比541.25銭安の13,087.91で終了。上海総合指数の終値は前週末比342.394ポイント(7.19%)安の4419.294。
(01/30) FF金利0.5%引き下げ年3%に。今月二回目。

MerrillLynchは当初予想の約2倍に相当する約160億ドルの損失。CITIBANKの損失も評価損181億ドル(予想では150億ドル)。また、富裕層向けのアメックスで有名なアメリカン・エキスプレス・インターナショナルもローン延滞増で損失480億円を10-12月期に計上した。
アメリカ大手金融機関の損失と共に、証券化商品に保証をつけていたモノライン(金融保証)会社に飛び火した形で世界同時株安がこの月後半から発生している
ちなみに、Merrill Lynchは、クウェート投資庁や韓国投資公社、みずほコーポレート銀行など7社を引受先とする総額66億ドル(約7100億円、1$=107)の資本増強。CITIBANKは、シンガポール政府投資公社(約69億ドル)、クウェート投資庁(30億ドル)、シティグループのCEO、サウジアラビアのアルワリード王子、資産運用会社のキャピタル・リサーチ・アンド・マネジメント、ニュージャージー州からも資金を調達。どちらも、財務基盤の強化
ちなみに、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ投資庁の資産は推定8750億ドルと言われている。
また、この月、原油先物・金塊相場・穀物先物などの動きが信用収縮により「物」への流れが激しくなる。また、日本の金融機関も三月決算で損失が増えた。


モノライン会社とは地方自治体や企業の発行する債券が債務不履行に陥った場合に元利支払いを保証する会社で、その影響の50%以上を受けるといわれているのが、CitiGroup MerrillLynch UBSの三社。(記:2008/02/01)


2007年度...つづき